Thursday, July 26, 2012

生物学

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・後期・前期

 ぜんき【前期】ある期間を二つまたは三つに分けたうちの、前の方の期間。
 こうき【後期】一定の期間を二つまたは三つに分けたうちの、あとのほうの期間。
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・動物 ・植物

 どうぶつ【動物】生物を二大別した時に、植物に対する一群。多くは自由に移動することができ、植物などの作り出した有機物を栄養として摂取する。細胞壁がなく、種々の器官が分化し、神経系・感覚器官・排出器官・呼吸器官などをもつ。原生動物に分類されるものではほとんど植物と区別できないものもある。生態分布として、水生動物と陸生動物とに分けられる。
 しょくぶつ【植物】生物を大きく二大別した場合の、動物に対する一群。木や草、藻類など。一般に、1か所に固定して暮らし、細胞壁をもち、光合成を行って主に空気や水から養分をとって生きている生物。種子植物・シダ植物・コケ植物・緑藻植物・紅藻植物などに分類される。
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・前肢 ・後肢

 ぜんし【前肢】4本の足をもつ動物の、前の一対の足。前足。
 こうし【後肢】動物の4本の足のうち、後方の一対。あと足。後ろ足。
 しし【四肢】脊椎動物の二対のあし。前足と後ろ足。
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動物
・原生・後生

 げんせいどうぶつ【原生動物】 protozoan. 動物界の一門。体は1個の細胞からなり、分裂・出芽などによって増殖する。鞭毛虫類(ミドリムシ)・肉質類(アメーバ)・胞子虫類(マラリア病原虫)・繊毛虫類(ゾウリムシ)に分けられる。原虫。
 こうせいどうぶつ【後生動物】原生動物以外のすべての動物の総称。海綿動物・腔腸動物から脊椎動物にわたる。
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後生
・脊椎 ・無脊椎

 せきついどうぶつ【脊椎動物】 vertebrate. 動物界の一門。体は左右相称で、支持器官として脊椎をもつ動物。魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類が含まれ、現在の動物の中では最も複雑化した体制と分化した機能とをもつ。
 むせきついどうぶつ【無脊椎動物】脊椎動物門を除くすべての動物の総称。動物界の大部分を占め、原索・棘皮・触手・節足・環形・軟体・扁形・腔腸・海綿などの動物門が含まれる。
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動物
・変温 ・恒温

 へんおんどうぶつ【変温動物】体温調節機能がなく、外界の温度に応じて体温が変化する動物。哺乳類・鳥類を除くすべての動物が含まれる。冷血動物。
 れいけつどうぶつ【冷血動物】変温動物のこと。
 こうおんどうぶつ【恒温動物】体温調節能力があり、外気温に関係なく、ほぼ一定の体温を維持できる動物。哺乳類・鳥類がこれに属する。温血動物。定温動物。
 ていおんどうぶつ【定温動物】恒温動物
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・雄・雌
・雄性・雌性

 おす【雄 牡】動物の性別で、精巣をもち、精子をつくるほう。また、植物で雄花をつけるもの。お。
 めす【雌 牝】動物の性別で、卵巣を持ち、卵や子を産むほう。また、植物で雌花をつけるもの。
 ゆうせい【雄性】雄(おす)としての性質。男性。おす。
 しせい【雌性】生物の雌に共通している性質。
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分類学
・界 ・門 ・綱 ・目 ・科

 ぶんるいがく【分類学】生物を形態・生理などの関連や系統的なつながりに基づいて整理し、各種間の相互関係を研究する学問分野。
 かい【界】生物分類学上の基本階級の最高位。動物界と植物界の二つに分けるが、菌類界を独立させたり、原核生物界と真核生物界とに大別したりする傾向にある。
 もん【門】 生物分類の段階の一。界の下、綱の上に位置する。
 こう【綱】生物分類学上の基本階級の一。門の下、目の上に位置する。脊椎動物門では哺乳綱・鳥綱・爬虫綱・両生綱・硬骨魚綱・軟骨魚綱などに分けられる。
 もく【目】生物分類の段階の一。綱の下、科の上に位置する。
 か【科】生物分類学上の基本階級の一。目(もく)の下位で、いくつかの属の集合からなるが、1属で1科を形成する場合もある。

 あもん【亜門】生物分類学上、必要な場合に、門と綱の間に設けられる単位。原索動物門を尾索動物亜門・頭索動物亜門に分けるなど。
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生物
・単細胞・多細胞

 たんさいぼうせいぶつ【単細胞生物】生活史を通して、体が単一の細胞からできている生物。アメーバやゾウリムシなどの原生動物・細菌・珪藻などにみられる。
 たさいぼうせいぶつ【多細胞生物】多くの細胞からなる生物。普通に見られる多くの動植物はこれに属する。
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生物
・真核 ・原核

 しんかくせいぶつ【真核生物】静止核に核膜があり、核と細胞質とが明瞭に区分される細胞をもつ生物。細菌類・藍藻(らんそう)類以外の全生物。

 げんかくせいぶつ【原核生物】核膜がなく、DNA分子がほとんど裸のまま細胞のほぼ中心部にあり、構造的には細胞質から区別できない生物。細菌・藍藻(らんそう)など。バクテリア。
 さいきん【細菌】原核細胞を持つ単細胞の微生物。原形質に明瞭な核をもたない生物の一群。主に分裂によって繁殖する。地球上の至る所に存在する。食品加工や有機物の分解に利用されるが、病原体となるものも多い。光合成細菌、藍藻類(シアノバクテリア)、窒素固定菌、放線菌など。バクテリア。
 バクテリア【bacteria】「原核生物」に同じ。また特に、細菌のこと。
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呼吸
・肺呼吸・鰓呼吸・皮膚呼吸

 はいこきゅう【肺呼吸】外呼吸の一。肺で行われる炭酸ガスと酸素との交換。
 えらこきゅう【鰓呼吸】水中でえらを用いてガス交換を行う外呼吸の形式。魚類・両生類の幼生、および甲殻類・軟体動物などにみられる。
 ひふこきゅう【皮膚呼吸】動物で体表を通して行われる酸素と炭酸ガスとの交換作用。特別の呼吸器官をもたないミミズ・ヒルなどにみられるが、カエル・ウナギなど多くの動物で鰓(えら)呼吸・肺呼吸と併用され、人間もわずかに行っている。
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・寄生・腐生・共生

 きせい【寄生】ある生物が他の生物の体表に付着または体内に侵入し、そこから栄養をとって生活すること。付着または侵入されて害を受けるほうを宿主(しゅくしゅ)という。
 ふせい【腐生】生物が、他の生物の死体や排泄物などを栄養源として生活すること。死物寄生。
 きょうせい【共生】異種の生物が、相互に作用し合う状態で生活すること。相利共生と片利共生があり、寄生も含めることがある。
 しゅくしゅ【宿主】寄生生物に寄生される側の動物や植物。やどぬし。
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共生
・片利共生・相利共生

 へんりきょうせい【片利共生】片方の生物のみが利益を受け、他方には利害がないと考えられる共生。カクレウオとフジナマコの場合など。
 そうりきょうせい【相利共生】共生の一型で、両種ともに利益を受ける関係。アリとアブラムシ、ヤドカリとイソギンチャクの関係など。
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植物
・高等・下等

 こうとうしょくぶつ【高等植物】体制の発達した植物のこと。一般に、根・茎・葉に分化し、維管束をもつ種子植物とシダ植物をさす。
 かとうしょくぶつ【下等植物】構造が簡単で、器官の分化があまり発達していない植物のこと。菌類・地衣類・藻類など。
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木本
・高木・低木

 こうぼく【高木】丈の高い木。樹木の便宜的な分類では、ふつう、高さが約2メートル以上になる木で、幹が太く、直立し、枝を張って他の植物を覆うものをいう。
 ていぼく【低木】低い木。ふつう高さ約2メートル以下の樹木。主幹がはっきりせず、根ぎわから数本に分かれて出るものが多い。灌木(かんぼく)。
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植物
・種子・胞子
・顕花・隠花

 けんかしょくぶつ【顕花植物】花を咲かせ、実を結び、種子によって繁殖する高等植物。裸子植物と被子植物を含む。種子植物。
 しゅししょくぶつ【種子植物】植物界の一門。種子で増える植物。被子植物と裸子植物の2亜門に分ける。顕花植物。
 いんかしょくぶつ【隠花植物】花をつけないで胞子で繁殖する植物。シダ類・コケ類・菌類・藻類など、種子植物以外のすべての植物。胞子植物。
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種子植物
・裸子 ・被子

 らししょくぶつ【裸子植物】種子植物の一亜門。子房がなく胚珠(はいしゅ)が裸出しているもの。子葉は3枚以上が多い。古生代に出現、中生代に繁栄し、化石が多い。現存種はソテツ類・イチョウ類・針葉樹類・マオウ類に分けられる。
 ひししょくぶつ【被子植物】種子植物の一亜門。約22万種以上が含まれ、最も進化した植物群。心皮が胚珠(はいしゅ)を包んで子房になり、重複受精を行う。双子葉植物と単子葉植物とに大別される。
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 そうもく【草木】草と木。また、植物のこと。くさき。そうぼく。
 かいか【開花】草木の花が咲くこと。
 けつじつ【結実】植物が実を結ぶこと。
 こし【枯死】草木が枯れてしまうこと。
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 しゅし【種子】たね。種子植物で、受精した胚珠(はいしゅ)が成熟して休眠状態になったもの。発芽して次の植物体になる胚と、胚の養分を貯蔵している胚乳、およびそれらを包む種皮からなる。

 はいしゅ【胚珠】種子植物の、発達して種子になる部分。被子植物では子房内にあり、裸子植物では心皮についたまま裸出する。内外2枚の珠皮に包まれ、中に胚嚢(はいのう)があり、卵細胞を含む。

 め【芽】植物の種子から最初にもえ出す茎・葉。また、茎・葉などが未発達の状態にあるもの。生じる位置により定芽・不定芽に、展開後の器官により葉芽・花芽・混合芽に、形成時期などにより夏芽・冬芽などに分けられる。
 しゅつが【出芽】植物が芽を出すこと。芽が出ること。発芽。
 はつが【発芽】芽を出すこと。植物の種子・胞子・花粉や樹枝の芽などが発育を始めること。芽生え(めばえ)

 はい【胚】多細胞生物の発生初期の個体。植物では受精卵がある程度発達した胞子体をいう。種子植物では種子中にある発芽前の植物体で、胚芽ともいい、胚乳から養分を吸収する。動物では卵黄から養分を吸収している状態のもので、発生段階により桑実胚・胞胚・嚢胚(のうはい)・神経胚などに分けられる。
 はいが【胚芽】植物の種子の中にあり、芽となって成長する部分。胚。

 ほうしたい【胞子体】世代交代を行う植物で、胞子をつくる無性世代の個体。造胞体。
 ぞうほうたい【造胞体】胞子体

 ほうし【胞子】シダ植物・コケ植物・藻類・菌類などに形成され、単独で新個体となりうる細胞。ふつう単細胞で、有性生殖後にできるものや、無性器官内にできるもの、栄養体の一部が分裂してできるものなどがある。芽胞。

 せだいこうたい【世代交代】同一種の生物で、生殖法の異なる世代が交互に現れて増殖を行うこと。シダ・コケやクラゲでは有性生殖と無性生殖とが、アブラムシでは単為生殖と有性生殖とが、肝蛭(かんてつ)では幼生生殖と有性生殖とが交互にみられる。世代交番。
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生殖
・有性 ・無性 ・単為

 せいしょく【生殖】生物の個体が自分と同種類の新しい個体をつくり出すこと。
 ゆうせいせいしょく【有性生殖】雌雄の配偶子によって新個体が形成される生殖法。ふつう両性の配偶子の受精による両性生殖をさすが、雌雄性の未分化な配偶子の接合や、卵が単独で発生する単為生殖も含めていう。
 むせいせいしょく【無性生殖】性と関係のない生殖の様式。分裂・出芽・胞子形成・栄養生殖など。
 たんいせいしょく【単為生殖】有性生殖の一変形で、卵が受精なしで単独に発生するもの。雌が雄と関係なしに新個体を生ずる現象。ミジンコ・アブラムシなどにみられ、人為的に起こすこともできる。処女生殖。単性生殖。

 はいぐうたい【配偶体】配偶子をつくり、有性生殖を行う世代の生物体。シダ植物の前葉体など。
 はいぐうし【配偶子】有性生殖で、接合・合体・受精にあずかり新個体をつくる生殖細胞。同形配偶子と異形配偶子とに分けられる。時には単独で単為生殖を行うものもある。
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 らんし【卵子】卵。
 らん【卵】生物の雌がつくる配偶子。精子と受精して新個体をつくる。動物では発生に必要な栄養分として卵黄を含み、丸く大きい。卵細胞。卵子。
 らんさいぼう【卵細胞】卵。1個の細胞からなるのでいう。
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・実 ・枝 ・茎 ・幹 ・葉 ・根 ・花

 み【実】植物の種子・果実。みのり。
 えだ【枝】茎や幹から分かれて出た部分。葉をつけたり、さらに小枝を出したりする。
 くき【茎】高等植物で、葉・根とともに植物を構成する基本器官。先端に生長点があり、内部に維管束をもつ。地下茎・蔓(つる)・とげなどになるものもある。性質により草本(そうほん)と木本(もくほん)とに分けられる。
 みき【幹】植物の、木質化した茎。高木では主軸となり、枝を出す。
 は【葉】植物の茎や枝につき、光合成と蒸散を主な役割とする器官。秋に落葉するものと越冬するものがある。ふつう緑色で、葉身・葉柄・托葉の3部分からなり、葉身の形から単葉と複葉とに分けられる。
 ね【根】維管束植物の基本器官の一。普通は地中にあって、植物体を支え、水・養分を吸収する。先端に根冠に包まれた生長点があり、根毛をもつ。
 はな【花 華】種子植物の有性生殖を行う器官。葉から変形した萼(がく)・花びら・雄しべ・雌しべおよび花軸からなる。この要素の有無により完全花と不完全花に、雄しべ・雌しべの有無により両性花と単性花に分けられる。受精して実を結び、種子を生じる。
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・草本・木本

 そうほん【草本】地上の茎は木部があまり発達せず、1年から数年で枯れる植物。くさ。
 もくほん【木本】樹木のこと。木部の発達が著しく、その細胞壁が木化して強固になり、地上茎が多年にわたって生存しつづける植物。高木と低木とに分けられる。
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 もくしつか【木質化】植物の細胞壁にリグニンが沈着して、組織が堅くなること。木化。
 もくか【木化】木質化。
 もくしつ【木質】木の性質。木のたち。
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木本
・高木・低木

 こうぼく【高木】丈の高い木。樹木の便宜的な分類では、ふつう、高さが約2メートル以上になる木で、幹が太く、直立し、枝を張って他の植物を覆うものをいう。喬木(きょうぼく)。
 ていぼく【低木】低い木。ふつう高さ約2メートル以下の樹木。主幹がはっきりせず、根ぎわから数本に分かれて出るものが多い。灌木(かんぼく)。
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植物
・木・草・藻類

 き【木 樹】地上部の茎が木質化している植物。樹木(じゅもく)。
 じゅもく【樹木】地面に生えている木の総称。立ち木。
 たちき【立ち木】地面に生えて立っている木。
 くさ【草】植物のうち、地上部が柔軟で、木質の部分が発達しないもの。草本(そうほん)。
 そうるい【藻類】 algae. 主に水中や湿地に生育し、体内に葉緑素などの色素をもち、独立栄養を営む植物の総称。緑藻・紅藻・褐藻や、藍藻(らんそう)・珪藻(けいそう)など。
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 さいぼうへき【細胞壁】植物・菌類・細菌の細胞の最も外側の、主にセルロース・ペクチンからなる丈夫な膜。後形質からなり、成長する組織では長く伸びる。
 きんるい【菌類】カビ・キノコとよばれる真菌類のほか、細菌・粘菌などを含めた生物の一群。葉緑素をもたず、寄生や腐生で生活し、胞子や分裂・出芽で増える。生物を動物・植物の二界に分けるときは植物に含めるが、独立の菌界を立てることも行われる。
 セルロース【cellulose】植物の細胞壁の主成分をなす多糖類の一種。ぶどう糖が直鎖状につながった構造をしている。繊維・布・紙・パルプなどの形で利用され、火薬・レーヨン・セロハン・セルロイドなどの製造原料。繊維素。
 ペクチン【pectin】植物体、特に果実の細胞壁の中層を形成するコロイド性の多糖類。リンゴやミカン類に多く、砂糖や酸を加えるとゼリー状になる。ジャムの製造、微生物の培養基や化粧品などに利用。
 リグニン【lignin】植物中にセルロースなどと結合して存在する高分子化合物。細胞壁に堆積(たいせき)して木質化を起こし、植物体を強固にする。木材では20~30パーセント含まれ、パルプ製造の際の不要成分。バニリン製造・粘着剤などに利用。
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・地上茎・地下茎

 ちじょうけい【地上茎】地上にある茎。通常の茎。
 ちかけい【地下茎】地中にある植物の茎。根のように養分を蓄えたり繁殖の役をしたりするものが多い。形態から根茎・塊茎・球茎・鱗茎(りんけい)などに分けられる。
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植物
・ 一年生  ・ 多年生

 いちねんせいしょくぶつ【一年生植物】種子から発芽して、開花・結実ののち1年以内に枯死する草本植物。春に発芽して年内に枯死するものと、秋に発芽して翌春開花・結実するものとがある。後者は越年生植物ともよばれる。一年生草本。一年草。
 たねんせいしょくぶつ【多年生植物】草本植物で、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、毎年茎や葉を伸ばすもの。常緑のラン・オモト、冬に地上部が枯れるススキ・ハルジョオンなど。宿根草。多年生草本。多年草。
 いちねんそう【一年草】一年生植物。
 たねんそう【多年草】多年生植物。
 えつねんせいしょくぶつ【越年生植物】一年生植物のうち、秋に発芽して冬を越し、翌春に開花・結実して枯死する草本植物。大麦・ダイコン・アブラナなど。越年生草本。越年草。
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・光合成・葉緑体・葉緑素

 こうごうせい【光合成】光のエネルギーを使って行う炭酸同化。明反応と暗反応の過程からなり、緑色植物では、ふつう水と二酸化炭素から炭水化物を合成し、その際酸素を放出する。ひかりごうせい。
 ようりょくたい【葉緑体】光合成を行う植物の細胞内にある細胞小器官。一般に楕円形をし、二重の膜に包まれ、内部は葉緑素などの色素を含むグラナと、その間を埋めるストロマから構成される。グラナで光合成の明反応が、ストロマで暗反応が行われる。独自のDNAなどをもつ。
 ようりょくそ【葉緑素】 chlorophyll. 植物の葉緑体の中に含まれる緑色の色素。化学構造はマグネシウムをもつポルフィリンで、構造の一部が異なる4種がある。赤および青紫色の波長の光線を吸収して光合成に重要な役割をする。クロロフィル。

 グラナ【grana】高等植物の葉緑体中に含まれる円板状の構造体。クロロフィルを含み、層状をなす。
 ストロマ【stroma】葉緑体の中でグラナを包む無色の基質。ここにDNAが分布し、葉緑体の自己増殖を担う。
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・明反応・暗反応

 めいはんのう【明反応】光合成のうち、光に依存して進行する過程。葉緑体中で、葉緑素の吸収した光エネルギーを用い、ATP(アデノシン三燐酸(りんさん))の生成、水分子の分解に伴う還元型化合物および酸素の発生が行われる反応。暗反応に引き継ぐ。
 あんはんのう【暗反応】光合成の過程で、光が関与しない反応。明反応によって葉緑体で合成されたATP(アデノシン三燐酸)を使い、炭酸ガスを有機物に転化する反応。カルビン回路。
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 ほ【穂】稲・麦やススキなどの花序。長い茎の先に花や実が群がりついたもの。特に、稲のものをいう。
 にくすいかじょ【肉穂花序】穂状花序の特殊化したもの。多肉な花軸の周囲に柄のない花が多数密生するもの。仏炎苞(ぶつえんほう)をもつ。テンナンショウ・ミズバショウなどにみられる。
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花序
・無限・有限

 かじょ【花序】茎への花の付き方。花軸上の花の並び方。分類の目安の一つとなり、無限花序と有限花序とに大別される。
 むげんかじょ【無限花序】花序の二大別の一。花が花軸の下部から上方へ順次咲いていくもの。穂状花序・総状花序・散形花序・頭状花序・散房花序・円錐花序などがある。総穂花序。
 ゆうげんかじょ【有限花序】花序の二大別の一。花が花軸の頂部から下方へ、または中心から外側へと順次咲いていくもの。単頂花序・鎌形(巻散(けんさん))花序・さそり状(互散)花序・岐散(きさん)花序などがある。
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 ぶつえんほう【仏炎苞】植物の苞のうち、肉穂花序(にくすいかじょ)を包む大形のもの。ミズバショウ・ザゼンソウなどのサトイモ科植物にみられる。
 ほう【苞】花あるいは花序の付け根に出る葉。芽やつぼみを覆って花を保護する。うろこ状や花びら状となるものもある。包葉。
 ほうよう【包葉 苞葉】苞(ほう)
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植物
・コケ植物・緑藻植物

 こけしょくぶつ【苔植物】植物界の一群。スギゴケなどの蘚(せん)類、ゼニゴケなどの苔(たい)類、ツノゴケ類の三つに大別される。世界に約2万5000種、日本に約2000種が知られる。ゼニゴケのように葉状体のものと、スギゴケのように葉と茎の分化のみられるものとがある。高さ5ミリくらいのものが大部分で、特別な通導組織はなく、世代交代をし、胞子体は配偶体に付着して生活をする。蘚苔植物。
 りょくそうしょくぶつ【緑藻植物】植物の一門。葉緑素をもち、維管束はなく、生殖細胞は2本の同じ長さの鞭毛(べんもう)をもつ。アオノリ・アオサ・ミルなどの海藻と、ホシミドロ・アオミドロなどの淡水藻がある。緑藻類。
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コケ植物
・蘚類・苔類・角苔

 せんるい【蘚類】コケ植物の一群。湿った日陰などに群生する。茎・葉の分化がみられ、雌雄異株または同株。造卵器は茎の頂か枝の先につき、胞子体の若い蒴(さく)には蘚帽(せんぼう)がある。スギゴケ・ミズゴケ・ヒカリゴケ・クロゴケなど。
 たいるい【苔類】コケ植物の一群。湿った地上または樹皮に生え広がる。葉状体のものと茎状体のものとがあり、体の表面に胞子体をつくって繁殖する。ゼニゴケ・ジャゴケ・ウロコゴケなど。
 つのごけ【角苔】1 ツノゴケ科のコケ植物。道ばたなどの湿った所に群生。濃緑色の葉状体から、高さ3~4センチの円柱状の胞子体が出て、熟すと縦に裂ける。にわつのごけ。2 苔(たい)類・蘚(せん)類と並ぶコケ植物の一群。葉状体で、胞子嚢(ほうしのう)は柱状。
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藻類
紅藻・褐藻・藍藻・珪藻

 こうそうしょくぶつ【紅藻植物】藻類の一群。葉緑素(クロロフィル)のほか、紅藻素(フィコエリトリン)・藍藻素(フィコシアニン)をもち、紅色や紫色を呈する。体はひも状や葉状。大部分が海産で、アサクサノリ・テングサ・オゴノリ・イギスなどがある。淡水産にはカワモズクがある。紅藻類。
 かっそう【褐藻】藻類の一群。ほとんどが海産。体制が発達し、外形上、根・茎・葉に区別できるものもある。クロロフィルのほかフコキサンチンなどの色素をもち、褐色・黄褐色を呈する。コンブ・ワカメ・ホンダワラなど。褐藻類。褐藻植物。
 らんそう【藍藻】植物分類上、藻類の一群。現在は細菌の一群として扱われることが多く、シアノ バクテリアとよばれる。単細胞あるいは糸状で、核膜がない。クロロフィルa・フィコシアニンなどの色素で光合成を行う。地球上のあらゆる場所に生活し、塊状の群体をつくるものも多い。藍藻類。藍色細菌。
 けいそうるい【珪藻類】黄色植物の一群の総称。水中に単細胞あるいは群体で分布。褐色または黄褐色で、珪酸質の2枚の硬い殻をもつ。種類は多い。
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 こうそうそ【紅藻素】フィコエリトリン
 フィコエリトリン【phycoerythrin】紅藻類・藍藻(らんそう)類に含まれる紅色の色素たんぱく質。光合成に必要な光を吸収し、クロロフィル(葉緑素)に伝える。紅藻素。フィコエリスリン。
 らんそうそ【藍藻素】フィコシアニン
 フィコシアニン【phycocyanin 】藍藻類・紅藻類に含まれる青色の色素たんぱく質。光合成に必要な光を吸収し、クロロフィル(葉緑素)に伝える。藍藻素。
 フコキサンチン【fucoxanthin】褐藻や一部の珪藻(けいそう)に含まれるカロテノイドの一種。赤褐色の同化色素で、光合成に関与。褐藻素。
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 きこう【気孔】維管束植物の表皮の、孔辺細胞およびその間にある小孔。狭義には、すきまだけをいう。光合成・呼吸・蒸散などの際に空気や水蒸気の通路となる。陸生植物では葉の裏面に多い。
 じょうさん【蒸散】植物体内の水分が体表から水蒸気として排出される現象。葉の気孔で行われるが、クチクラ蒸散もわずかにみられる。
 こうへんさいぼう【孔辺細胞】植物の気孔の周囲にある表皮細胞。気孔の開閉の調節を行う。保護細胞。
 りくせいしょくぶつ【陸生植物】陸上に生育する植物。陸上植物。
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 ポルフィリン【porphyrin】窒素原子を1個含む五員環の環式化合物が、さらに4個環状に結合した構造を骨格とする化合物の総称。配位子として錯体を作り、中心原子が鉄のヘモグロビン、コバルトのシアノコバラミン、マグネシウムのクロロフィルなど、動植物の生理に重要なものが多い。
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 アデノシンさんりんさん【アデノシン三燐酸】アデノシンのリボース(糖)に3分子の燐酸がついて、2個の高エネルギー燐酸結合をもつ化合物。生体内に広く分布し、燐酸1分子が離れたり、結合したりすることで、エネルギーの放出・貯蔵、また、物質の代謝・合成に重要な役目を果たす。ATP。
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 らくよう【落葉】葉が落ちること。また、その落ちた葉。日照期間の短縮や葉自体の老化により、葉柄の離層で切れて茎から離れる。おちば。
 おちば【落ち葉】散り落ちた木の葉。また、散ってゆく木の葉。落葉(らくよう)。
 じょうりょく【常緑】植物の葉が一年中緑であること。
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 ちっそこてい【窒素固定】空気中の遊離窒素から窒素化合物をつくること。自然界では根粒菌や藍藻(らんそう)類、土壌細菌のアゾトバクター・クロストリジウムなどが行い、アンモニアやアミノ酸などに還元される。工業的にはアンモニア合成などが行われる。
 ほうせんきん【放線菌】カビのように分岐した糸状の細胞や菌糸を生じる細菌。土壌中に広く分布し、動植物に寄生するものもある。抗生物質を産生するストレプトミセスや病原性をもつアクチノミセス・マイコバクテリウムなどがある。
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 つる【蔓】植物の茎で、それ自体では立たず、長く伸びて他の物に巻きついたりよじ登ったりするもの。また、ブドウなどの巻きひげ。
 とげ【刺  棘】体表にある、堅くて先のとがった突起物。植物では、表皮が変化したもの(バラ)や葉・茎・托葉・根が変化した葉針(サボテン)・茎針(サイカチ)・托葉針(カラタチ)・根針(シュロ)などがある。動物では、ハリネズミ、ゴンズイやアカエイ、ウニなどにみられる。
 けいしん【茎針】植物の茎が変形してできた、とげのようなもの。梅・サイカチ・ザクロにみられる。
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 こんもう【根毛】根の先端近くに出る細長い突起。養分や水分の吸収を行う。
 こんかん【根冠】根の先端を覆い、生長点を保護する組織。
 せいちょうてん【生長点】植物の根や茎の先端にあって細胞分裂を行う部分。1ないし数個の細胞からなる。
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・完全花・不完全花

 かんぜんか【完全花】一つの花で、萼(がく)・花びら・雄しべ・雌しべのすべてをもっている花。両性花と同義に用いることもある。全備花。完備花。
 ふかんぜんか【不完全花】一つの花で、萼(がく)・花びら・雄しべ・雌しべのどれかを欠く花。不完備花。
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・両性花・単性花

 りょうせいか【両性花】一つの花に雄しべと雌しべをもつ花。桜・アブラナなど被子植物に普通にみられる。両全花。雌雄同花。
 たんせいか【単性花】雄しべ・雌しべのいずれか一方だけをもつ花。不完全花。雌雄異花。
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・根茎・塊茎・球茎・鱗茎

 こんけい【根茎】地下茎の一。根に似て地中をはい、節から根や芽を出す。ハス・タケなどにみられる。
 かいけい【塊茎】地下茎の一部が養分を蓄え、肥大したもの。ジャガイモやコンニャクイモなど。
 きゅうけい【球茎】地下茎の一。でんぷんなどの養分を蓄え、球形に肥大したもの。その頂端から新しい芽を出す。グラジオラス・サトイモ・クワイなどにみられる。
 りんけい【鱗茎】地下茎の一。節間の短縮した茎に、養分を蓄えた肉厚の鱗片葉が多数重なって、球形や卵形をしているもの。タマネギ・ユリ・チューリップなど。園芸では球根という。
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木部
・道管・仮道管・柔組織

 もくぶ【木部】植物の維管束のうち、道管・仮道管・木部柔組織・木部繊維などから構成される組織。水や養分の通路となり、また植物体を支持する。木本植物の幹や根の主要部分を占め、形成層から新しいものが内側につくられ、材となる。
 どうかん【道管】被子植物で、維管束の木部の主要構成部分。根が吸収した水分を枝・葉に送るための組織で、円柱形または多角柱形の細胞が縦に連なったもの。境界の膜には穴があり、側面の膜は木質化している。
 かどうかん【仮道管】維管束植物、特にシダ植物・裸子植物の木部(もくぶ)にあり、細胞壁の木化した細長い細胞が接した組織。水分の通路で、体を支持する役割ももつ。1本の管をなさない点で道管と区別される。
 じゅうそしき【柔組織】植物体で、柔細胞からなる組織。茎や根の皮層や髄、葉肉や果肉、地下茎の貯蔵組織など、植物体の最も多くの部分を占める。
 もくぶせんい【木部繊維】植物の木部の構成要素の一。細胞壁が木質化し厚く、細長くて両端のとがった細胞。また、その集まり。多く含まれていると非常に堅い材となる。木質繊維。
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 つるせい【蔓性】茎が蔓となる性質。蔓質(つるだち)。
 かにく【果肉】果実の皮と種子との間にある肉質の部分。
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 にくあつ【肉厚】肉の分厚いさま。厚みがあるさま。
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・葉身・葉柄・托葉

 ようしん【葉身】葉の主要部分。ふつう扁平な形をしているが、鱗片状や針状のものもある。葉片。
 ようへん【葉片】葉身。
 ようへい【葉柄】葉の一部で、葉身を茎や枝につないでいる細い柄の部分。
 たくよう【托葉】葉柄またはその基部につく葉状片。ふつう一対ある。双子葉植物に多くみられ、葉が生長すると落ちるものが多い。
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・単葉・複葉

 たんよう【単葉】葉全体が1枚の葉身からなる葉。普通の葉。桜などの葉。
 ふくよう【複葉】葉身が2枚以上の小葉からなる葉。小葉の配列のしかたにより羽状複葉・掌状複葉・三出複葉などとよぶ。
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複葉
・羽状複葉・掌状複葉・三出複葉

 うじょうふくよう【羽状複葉】植物の葉の形態で、小葉が葉軸の左右に羽状に並んでいるもの。フジなど先端にも小葉のつくものを奇数羽状複葉、ソラマメなどつかないものを偶数羽状複葉という。
 しょうじょうふくよう【掌状複葉】植物の複葉の一。葉柄の先端に数枚の小葉が放射状についたもの。アケビ・ウコギなどの葉。
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 りんぺんよう【鱗片葉】うろこ状に重なる厚い葉。芽を保護する芽鱗(がりん)やタマネギの鱗茎などにみられる。鱗葉。
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・萼 ・花弁 ・雌蕊 ・雄蕊 ・花軸

 がく【萼】花の最も外側の部分。ふつう緑色をし、外面に毛をもつ。つぼみのときは内部を包み保護する。うてな。
 はなびら【花弁】花の、萼(がく)の内側にあって雄しべ・雌しべを保護する小片。ふつう萼より大きくて薄く、葉緑素を含まず、さまざまな色彩をもつものが多い。かべん。
 めしべ【雌蕊】種子植物の花の中心にある雌性の生殖器官。柱頭・花柱・子房の3部からなる。しずい。
 おしべ【雄蕊】種子植物の花の雄性の生殖器官。葯(やく)と花糸からなり、葯の中に花粉を形成する。ゆうずい。
 かじく【花軸】花をつける枝・茎。
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 つぼみ【蕾 莟】花の、まだ咲き開かないもの。
 しょうへん【小片】小さなかけら。切れはし。
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 かたく【花托】花柄(かへい)の先端で、花びら・雄しべ・雌しべ・萼(がく)などがつく部分。花床。
 かしょう【花床】花托(かたく)
 かへい【花柄】花軸から分かれ出て、その先端に花をつける小さな枝。花梗(かこう)。
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雄蕊 おしべ
・花粉 ・葯 ・花糸

 かふん【花粉】種子植物の雄蕊の葯(やく)の中にできる粉状の細胞。雄性の配偶体。雌しべの柱頭につくと花粉管を伸ばす。
 やく【葯】雄蕊の一部で、ふつう花糸の上端にあり、花粉をつくる袋状の器官。
 かし【花糸】雄蕊の、葯(やく)を支える糸状の柄。
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雌蕊 めしべ
・柱頭 ・花柱 ・子房

 ちゅうとう【柱頭】雌蕊の先端部。粘液を分泌して花粉を受ける。
 かちゅう【花柱】雌蕊の、柱頭と子房との間の部分。柱頭についた花粉からこの中に花粉管が伸び、受精する。
 しぼう【子房】被子植物の雌蕊の基部にあり、膨らんで袋のようになっている部分。上は花柱に、下は花托につながる。中に胚珠(はいしゅ)があり、そこで受精が行われ、種子ができると熟して果実になる。花托との位置関係から子房上位・子房中位・子房下位に分けられる。実礎(じっそ)。
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 はいにゅう【胚乳】種子の中にあって胚を包み、胚の生長に必要な養分を蓄えて供給する組織。被子植物では重複受精の結果つくられる内乳をさすが、珠心の発達した外乳も含めていうことがある。豆類など無胚乳種子では早くに退化して、養分は子葉に移される。
 ないにゅう【内乳】種子内で、胚が生長を開始して芽生えるまで、胚の栄養源となるでんぷん・たんぱく質・脂肪などを蓄えている組織。内胚乳。
 しゅしん【珠心】種子植物の胚珠(はいしゅ)の中心にある組織。珠皮に包まれ、内部に胚嚢(はいのう)ができる。
 がいにゅう【外乳】種子の胚乳(はいにゅう)の一種で、珠心の一部が発達して養分の貯蔵組織となったもの。スイレン・アカザ・ナデシコなどにみられる。外胚乳。
 むはいにゅうしゅし【無胚乳種子】種子植物の種子で、胚乳が発生の初期にだけ生じ、成熟時には消滅するもの。養分は代わりに子葉に蓄える。ダイズなどのマメ科植物やクリなどにみられる。
 しよう【子葉】種子が発芽して最初に出る葉。胚(はい)の一部分で、普通の葉と形の異なるものが多く、単子葉植物では1枚、双子葉植物では2枚のものが多い。
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・桑実胚・胞胚・嚢胚・神経胚

 桑実胚(そうじつはい)とは、動物の発生において、ごく初期の胚の名である。胚という名をもらう最初の段階でもある。
 ほうはい【胞胚】動物の発生過程で、卵割が終わってから原腸形成が開始されるまでの時期の胚。割球に囲まれて内部に腔所ができるが、卵黄の多いものでは腔所が狭まり、できないものもある。続いて嚢胚(のうはい)となる。
 のうはい【嚢胚】後生動物の発生で、胞胚(ほうはい)に次ぐ段階の胚。内外2層の胚葉ができ、原腸が形成される。原腸胚。
 しんけいはい【神経胚】脊索動物の発生過程で、神経板が現れてから神経管を形成するまでの胚。
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 ちょうふくじゅせい【重複受精】被子植物に特有の受精方法。胚嚢(はいのう)内で2個の精核が、1個は卵細胞と、他の1個は2個の極核に由来する中心核と合体する現象。受精卵は胚に、受精した中心核は胚乳に発達する。

 はいのう【胚嚢】種子植物の胚珠の中にある雌性配偶体。被子植物では卵細胞・助細胞・反足細胞・極核から、裸子植物では胚乳・造卵器からなる。

 しんぴ【心皮】種子植物で、雌しべを構成する特殊な葉。胚珠(はいしゅ)をつける葉の変形したもの。被子植物では合わさって子房を形成する。

 しゅひ【珠皮】種子植物の胚珠(はいしゅ)の外側にあって珠心を包む組織。1層のものと内外2層からなるものとがあり、胚珠が種子になると種皮になる。
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 げんちょうはい【原腸胚】嚢胚。
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胚葉
・外胚葉 ・内胚葉 ・中胚葉

 はいよう【胚葉】多細胞動物の発生過程で、嚢胚(のうはい)期以降に形成される細胞層。外胚葉・内胚葉・中胚葉に分けられ、それぞれ特定の器官へと分化する。
 がいはいよう【外胚葉】胚葉の一。発生初期の嚢胚(のうはい)期における胚の外表面の細胞層。将来、表皮や中枢神経系・感覚器官などに発達する。
 ないはいよう【内胚葉】多細胞動物における発生の途中でできる胚葉の一。初期の嚢胚(のうはい)期の最も内側の細胞層。のちに、消化管の主要部分やその付属腺、呼吸器などが形成される。
 ちゅうはいよう【中胚葉】多細胞動物の発生初期に外胚葉と内胚葉との間に構成される細胞群。骨格・筋肉・循環器・生殖器などに分化する。
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 らしゅつ【裸出】物におおわれず、むき出しになっていること。露出。
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 ぜんようたい【前葉体】シダ植物の配偶体。胞子の発芽したもので、ふつう緑色の平たい心臓形で大きさは約1センチ、裏面に造精器と造卵器をつける。扁平体。原葉体。
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 らんさいぼう【卵細胞】卵(らん)のこと。1個の細胞からなるのでいう。
 じょさいぼう【助細胞】被子植物の胚嚢(はいのう)の中の、卵細胞の両隣にある小さい細胞。助胎細胞。
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植物
・単子葉 ・双子葉

 たんしようしょくぶつ【単子葉植物】被子植物の一群。子葉は1枚で、主に草本。ふつう茎には維管束が散在し、形成層がなく、茎や根は二次肥大成長を行わない。根は主にひげ根で、葉には平行脈があり、花の各部分は3またはその倍数が多い。イネ・ユリ・ランなど。単子葉類。
 そうしようしょくぶつ【双子葉植物】被子植物の一群。子葉は原則として2枚で、葉に網状脈をもち、茎には形成層がある。花びら・萼(がく)などの数は4か5、またはその倍数が基本。花弁の合着の有無によって、離弁花類と合弁花類とに2分する。双子葉類。
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維管束植物
・羊歯・種子

 いかんそく【維管束】シダ植物と種子植物にあって、篩部(しぶ)と木部からなり、道管・仮道管・篩管などを含む組織の集まり。束状となって根・茎・葉を貫き、水や養分の通路となるほか、体を支持する。管束。
 いかんそくしょくぶつ【維管束植物】維管束をもつ植物。シダ植物と種子植物とが含まれる。
 しだ【羊歯 歯朶】シダ植物の総称。花はなく、胞子によって繁殖するが、特に無性世代の胞子体をさしていう。シノブ・ワラビ・ゼンマイなどがあるが、ウラジロをいうことが多い。
 しだしょくぶつ【羊歯植物】維管束植物の一群。世代交代をし、無性世代(胞子体)は根・茎・葉からなり、葉の裏面に胞子嚢(ほうしのう)をつけ、胞子をつくる。有性世代は散布された胞子が発芽してできた前葉体(配偶体)で、これに生じた卵子と精子が受精すると、また胞子体となる。数センチのものから、数メートルの高さになる木生シダまである。ウラジロ・ワラビ・ヘゴなど約1万種が知られ、化石も多い。
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果実
・真果 ・仮果

 かじつ【果実】種子植物の花の子房が発達・変化したもの。中に種子を含む。狭義には、成熟した子房が主部になる真果(しんか)をさし、花托など子房以外の部分が主部になるものを仮果として区別することもある。果皮の性状から乾果と液果に分け、由来する子房が一つかそれ以上かによって単果と複果とに分けられる。実(み)。
 しんか【真果】種子の形成とともに子房が肥大してできた果実。梅・桃・キュウリ・トマトなど。
 かか【仮果】子房以外の部分が肥大発達し、果実の主要部分となっているもの。花托(かたく)が発達するリンゴ、萼(がく)が発達するザクロなど。偽果(ぎか)。
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 せいじょう【性状】物の性質と状態。また、人の性格と行状。
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・乾果・液果

 かんか【乾果】成熟すると果皮が木質や革質になって硬くなる果実。のちに果皮が裂開する裂開果と、裂開しない閉果とに分けられる。乾燥果。
 かんそうか【乾燥果】乾果。
 えきか【液果】3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実。ミカン・トマト・ブドウなど。漿果(しょうか)。多肉果。
 たにくか【多肉果】液果。
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 たんか【単果】1個の花に生じた1個の子房からできた果実。大部分の果実はこれに属する。梅・桃・リンゴなど。
 ふくか【複果】複数の子房が集まって成熟し、全体として1個のようになった果実。複合果。多花果(たかか)。集合果。
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果皮
・外果皮・中果皮・内果皮

 かひ【果皮】果実で、ふつう種子を包む部分。外果皮・中果皮・内果皮が区別されるものがある。
 がいかひ【外果皮】種子植物の心皮が発達してできた果皮のうち、いちばん外側の層。桃では毛があり、リンゴでは赤、ミカンでは橙色(だいだいいろ)をしている部分。
 ちゅうかひ【中果皮】果実の外果皮と内果皮との間の部分。ミカンでは果皮の白い部分、梅では食用になる果肉の部分がこれ。
 ないかひ【内果皮】果実の内部の種子を直接包んでいる部分。梅・桃の核、ミカンの袋など。
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果実
・裂開果・閉果

 れっかいか【裂開果】熟すと乾燥して、果皮の一部が裂けて開き、中の種子を放出する果実。裂開の型により袋果・豆果・蒴果(さっか)・蓋果(がいか)などがある。裂果。
 へいか【閉果】果皮が成熟後も裂けず、そのまま散布される果実。翼果・穎果(えいか)・堅果・痩果(そうか)などが含まれる。
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・翼果・穎果・堅果・痩果

 よっか【翼果】閉果(へいか)の一。果皮の一端が伸びてできた膜状の翼があり、風に乗って飛散する。カエデ・ニレなどにみられる。翅果(しか)。
 えいか【穎果】果皮が薄く木質で、種皮と密着している果実。稲・麦などにみられる。
 けんか【堅果】果皮が木質か革質で堅い果実。クリ・カシ・ナラなど。殻斗果(かくとか)。
 そうか【痩果】果皮が堅い膜質で、熟すと乾燥し、一室に1個の種子をもつもの。萼筒(がくとう)または花軸の一部が果実の一部を構成する。タンポポ・菊・キンポウゲなど。
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哺乳類
・有袋・食虫・翼手・霊長・食肉・クジラ・偶蹄(ぐうてい)・奇蹄・長鼻・齧歯(げっし)・ウサギ

 ゆうたいるい【有袋類】有袋目の哺乳類の総称。多くは胎盤がなく、子は発育不完全な状態で生まれ、自力で母親の下腹部にある育児嚢(いくじのう)に入り、乳を飲んで育つ。カンガルー・フクロネコ・コアラ・オポッサムなど約270種が知られ、形態・習性は多様に分化している。オーストラリア区・新熱帯区に分布し、オポッサムは北米にも生息する。
 しょくちゅうるい【食虫類】食虫目の哺乳類の総称。モグラ・トガリネズミ・ハリネズミなどで、虫を主食とする。哺乳類の原始的な形態をとどめている一群で、オーストラリアと南アメリカ中・南部とを除く全世界に分布。
 よくしゅるい【翼手類】翼手目の哺乳類の総称。コウモリ・オオコウモリ類。手の腕および指の骨が著しく長く、飛膜が張って翼となり、飛翔する。胸骨には竜骨突起があり、翼を動かす筋肉が付着。耳は大きく、嗅覚・聴覚は鋭い。夜行性。温・熱帯に約950種が分布。
 れいちょうるい【霊長類】霊長目の哺乳類の総称。サル類で、ヒトも含まれる。手足にふつう5本の指をもち、第1指は他の4本と向かい合って物をつかむことができ、多くは平爪をもつ。足はかかとまで地面につけて歩く。目は両方が並んで前を向き、立体視ができる。樹上生活に適応して進化したとされ、大脳が発達している。11ないし14科約180種に分類される。
 しょくにくるい【食肉類】食肉目の哺乳類の総称。イヌ・ネコ・クマ・パンダ・アライグマ・イタチ・ジャコウネコ・ハイエナの8科約240種がある。犬歯が発達し、あごのかむ力が強く、他の動物を獲物とし、指には鋭い鉤爪(かぎづめ)をもち、聴覚・視覚・嗅覚(きゅうかく)ともにすぐれる。大部分は肉を主食とする。人為的に移入したものを除けばオーストラリア・ニューギニア・ニュージーランド・南極大陸には生息しない。
 くじら【鯨】クジラ目の哺乳類の総称。76種などに分類される。世界の海洋や一部の大河川に分布。一般に体長4メートル以下の小形種をイルカとよぶ。体は魚型で前肢はひれ状、後肢は退化し、尾は水平に広がった尾びれとなっている。肺呼吸する際、吐く息とともに付近の水を吹き上げ、潮吹きとよばれる。歯はなくて鯨ひげをもつヒゲクジラ類(ナガスクジラなど)と、歯をもつハクジラ類(マッコウクジラなど)に大別される。生息数が激減したため国際条約で保護される。いさな。
 ぐうているい【偶蹄類】偶蹄目の哺乳類の総称。第3指と第4指の2本が発達し、第1指は退化して2本または4本のひづめをもつ。草食性で、反芻(はんすう)する牛・羊・シカなどと、反芻しないカバ・イノシシなどとに大別される。10科に分類、約184種が知られる
 きているい【奇蹄類】奇蹄目に属する哺乳類の総称。草食性で、第3指(中指)1本を中心につま先立つ形に進化し、走るのに適した体制をもつ。指の数は後肢で1本または3本、前肢では4本のものもあり、ひづめを備える。化石種が多く、ウマ・サイ・バクの3科18種が現存する。
 ちょうびるい【長鼻類】長鼻目の哺乳類の総称。円筒状の鼻が上唇とともに長く伸び、大きな耳をもち、皮膚は厚く、ほとんど毛はない。雄の上あごの門歯は牙(きば)になる。現生種のアジアゾウ・アフリカゾウのほか、マンモスなどの化石種も含まれる。
 げっしるい【齧歯類】齧歯目の哺乳類の総称。鑿(のみ)形をした一対の門歯は絶えず伸びつづけるので、常に物をかじってすり減らす。犬歯はない。哺乳類では最も種類が多く、リス・ネズミ・ヤマアラシの3亜目に大別され、約1600種が知られる。ニュージーランドと南極大陸を除く世界各地に分布。
 うさぎ【兎】ウサギ目ウサギ科の哺乳類の総称。ノウサギ類と、飼いウサギの原種であるアナウサギ類とに分けられる。体長40~60センチのものが多く、一般に耳が長く、前肢は短く、後肢は長い。上唇は縦に裂け、上あごの門歯は二対ある。飼いウサギの品種は多く、肉は食用、毛皮は襟巻きなどにし、医学実験用・愛玩(あいがん)用ともする。ウサギ目にはナキウサギ科も含まれる。
 たんこうるい【単孔類】単孔目の原始的な哺乳類の総称。肛門・尿管・卵管が、鳥類や爬虫類のように単一の排泄孔(はいせつこう)に開く。卵生で、卵からかえった子は母親の腹部の乳腺から乳を飲んで育つ。歯はなく、口は くちばし となる。オーストラリア区に分布し、カモノハシ・ハリモグラなどが含まれる。
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地質時代
・古生代・中生代・新生代

 ちしつじだい【地質時代】地球に地殻が形成されてからのちの時代。主に海生動物の進化に基づいて先カンブリア時代・古生代・中生代・新生代に大別され、各代は紀・世などに細分される。地質年代。

 こせいだい【古生代】地質時代を三大区分したうちの、最初の時代。5億7500万年前から2億4700万年前まで。古い順に、カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀・デボン紀・石炭紀・二畳紀の六紀に区分される。海生の無脊椎動物が栄え、後半には魚類・両生類も発展した。植物では藻類・シダ類が栄えた。
 ちゅうせいだい【中生代】地質時代を三大区分したうちの2番目の時代。古生代と新生代との間で、2億4700万年前から6500万年前まで。三畳紀・ジュラ紀・白亜紀に区分される。陸上では裸子植物や巨大な爬虫(はちゅう)類が全盛で、鳥類・哺乳類・被子植物が出現し、海中ではアンモナイト・二枚貝などが繁栄。
 しんせいだい【新生代】地質時代の大区分で、最も新しい時代。6500万年前から現在まで。第三紀と第四紀とに2分される。哺乳類の全盛時代で、被子植物も栄える。
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古生代
・カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀・デボン紀・石炭紀・二畳紀

 カンブリアき【カンブリア紀】地質時代の区分の一。古生代を六つに区分した最初の時代。5億7000万年前から5億900万年前まで。大部分の無脊椎動物が出現し、三葉虫が栄えた。英国ウェールズのカンブリア山脈などにみられる。
 オルドビスき【オルドビス紀】 Ordovician Period. 地質時代の区分の一。カンブリア紀に続く、古生代第二紀。5億900万年前から4億4600万年前まで。オウムガイの全盛期で、三葉虫(さんようちゅう)や筆石(ふでいし)が発展し、甲冑魚(かっちゅうぎょ)が出現した。名は、模式地の英国に住んだ古代民族の名に由来。奥陶紀(おうとうき)。
 シルルき【シルル紀】 Silurian period. 地質時代の区分の一。古生代を6分した場合の第3番目の時代で、オルドビス紀に続く時代。4億4600万年前から4億1600万年前まで。海中では筆石(ふでいし)・珊瑚(さんご)・三葉虫が栄え、陸上では下等なシダ類が出現した。ゴトランド紀。シルリア紀。
 デボンき【デボン紀】地質時代の区分の一。古生代の中ごろ、シルル紀のあと、石炭紀の前の時代。4億1600万年前から3億6700万年前まで。魚類やシダ植物が繁栄し、両生類が出現した。
 せきたんき【石炭紀】地質時代の区分の一。古生代の5番目の紀で、デボン紀のあとの時代。3億6700万年前から2億8900万年前まで。ヨーロッパ・ロシア・北アメリカではこの時代の地層に石炭を多量に含む。巨大なシダ植物が大森林を形成し、両生類が栄え、爬虫類・昆虫類が出現。海中では珊瑚(さんご)・紡錘虫などが栄えた。
 にじょうき【二畳紀】地質時代の区分の一。古生代最後の紀で、石炭紀のあとの時代。2億8900万年前から2億4700万年前まで。両生類・紡錘虫が繁栄し、裸子植物が発展しはじめた。南半球には広く氷河が発達した。名は地層が大きく2分されるのでいい、またウラル地方のペルミで模式的な地層がみられるところからペルム紀ともいう。
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古生代
・三畳紀・ジュラ紀・白亜紀

 さんじょうき【三畳紀】地質時代の区分の一。中生代を3分したうちの最初の紀。2億4700万年前から2億1200万年前までの期間。爬虫類(はちゅうるい)・アンモナイト・二枚貝などが急速に栄えはじめ、原始的な哺乳類が出現した。トリアス紀。
 ジュラき【ジュラ紀】地質時代の区分の一。中生代を3分した場合の2番目の時代。2億1200万年前から1億4300万年前まで。アンモナイト・爬虫(はちゅう)類が栄え、大形恐竜・始祖鳥が出現。植物では裸子植物が繁栄。名は、この時代の地層が発達しているジュラ山脈にちなむ。
 はくあき【白亜紀】地質時代の区分の一で、中生代の最後の時代。1億4300万年前から6500万年前までの間。アンモナイト・恐竜などが大繁栄したが、末期に絶滅。被子植物が出現し、また世界的な大海進が起こった。
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新生代
・第三紀・第四紀

 だいさんき【第三紀】地質時代の区分の一。新生代の前半。6500万年前から170万年前まで。暁新世・始新世・漸新世・中新世・鮮新世に細分され、前三者を古第三紀、後二者を新第三紀という。哺乳類や被子植物が繁栄し、アルプス・ヒマラヤなどの大山脈がほぼできあがった。
 だいよんき【第四紀】地質時代の区分の一。新生代の最後の時代で、約170万年前から現在まで。更新世と完新世とに区分される。氷河時代にあたり、人類が発展し、現在の地形が形成された。だいしき。
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 うもう【羽毛】鳥のはね。また、鳥の柔らかな綿毛。
 つばさ【翼】鳥類の空中を飛ぶための器官。前肢が変形したもので、先端から初列風切り羽が10枚ほど、次列風切り羽が6~30枚並び、その上面に雨覆い羽が並ぶ。
 ひしょう【飛翔】空高く飛びめぐること。
 くちばし【嘴 喙】鳥類の口の部分に突出する、上下のあごの骨の表面が角質化したもの。えさをとるほか、水飲み、羽の手入れにも使う。食性により形はさまざま。カモノハシやウミガメにもみられる。
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 かくしつ【角質】動物体を保護する角・毛・羽毛・爪・うろこなどの主な構成成分となるたんぱく質。ケラチン。
 ケラチン【(ドイツ)Keratin】硫黄を含んだたんぱく質。毛髪・つめ・角・羽毛などの主成分。
 かくしつか【角質化】脊椎動物の表皮の細胞にケラチンが沈着して硬くなること。角化。
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両生類
・無尾類・有尾類

 むびるい【無尾類】無尾目の両生類の総称。カエル類。おたまじゃくしには尾があるが、変態後に消失。四肢が生じ、特に後肢が発達して跳躍に適する。昆虫などの小動物を捕食。約2700種が知られ、熱帯地方を中心に分布。
 ゆうびるい【有尾類】有尾目の両生類の総称。原則として四肢があり、尾は変態後も消失せず、一生ある。淡水または湿地で生活し、幼生はえら呼吸、成体はえらまたは肺で呼吸する。耳に鼓室はない。サンショウウオ・オオサンショウウオ・イモリなど。
 むそくるい【無足類】無足目の両生類の総称。外形はミミズに似て多数の体節状の輪がある。アシナシイモリとも。尾がないか、あっても短い。ほとんどは地中にいるが、水生のものもある。中南米とアジア・アフリカの熱帯地方に分布。はだかへび。
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魚類
・円口類・軟骨魚類・硬骨魚類

 えんこうるい【円口類】軟骨魚類・硬骨魚類とともに広義の魚類を構成する一群。現生では最も原始的な魚で、ヤツメウナギ目とヌタウナギ目がある。体はウナギ形で、骨は軟骨。うろこを欠き、粘液に富む。胸びれ・腹びれがなく、背びれ・尾びれ・しりびれはつながる。口は円形の吸盤状で、あごがない。嚢状(のうじょう)のえらが6~15対ある。大部分は淡水産、一部が海産。嚢鰓類(のうさいるい)。
 なんこつぎょるい【軟骨魚類】軟骨魚綱の脊椎動物。円口類・硬骨魚類とともに広義の魚類を構成する一群。骨格が軟骨からなる。海産種が多く、板鰓(ばんさい)類(サメ・エイ類)と全頭類(ギンザメ類)に分けられる。
 こうこつぎょるい【硬骨魚類】魚類のうち、円口類と軟骨魚類を除く一群。魚類の大部分を占める。骨格は主に硬骨からなり、体表はうろこで覆われ、浮き袋をもつ。口は前端に開き、えらあなは一対。卵生が多く、一部が卵胎生。海水・淡水を問わず広く分布。
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 うろこ【鱗】動物の体を覆って保護する硬い薄片。魚類では真皮から形成されたもの、爬虫(はちゅう)類・鳥類や哺乳類の一部では表皮が角質化したもの。こけら。
 ようじ【幼時】おさない時。子供のころ。
 えら【鰓 腮 顋】水中にすむ動物の呼吸器官。魚類のものは、ふつう櫛(くし)の歯のような鰓弁(さいべん)に毛細血管が分布し、これに触れる水から酸素をとり、二酸化炭素を出す。
 へんたい【変態】動物で、幼生から成体になる過程で形態を変えること。おたまじゃくしがカエルに、蛹(さなぎ)がチョウになるなど。
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・淡水魚・海水魚

 たんすいぎょ【淡水魚】淡水にすむ魚類。一生を淡水で過ごすコイ・フナなどと、ある時期海に入るアユ・ウナギ・サケなどとがある。
 かいすいぎょ【海水魚】海水域にすむ魚。海にいる魚。鹹水魚(かんすいぎょ)。
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 たまご【卵】鳥・虫・魚などの雌から産み出される、殻や膜に包まれた球形のもの。孵化すると子になる。
 ふか【孵化】卵がかえること。また、卵をかえすこと。卵内で発生した胚(はい)が、卵膜または卵殻を破って出てくること。
 らんまく【卵膜】動物の卵を包んでいる被膜の総称。鶏では、卵白・卵殻膜・卵殻の3層をなす。
 らんかく【卵殻】動物の卵を包む外側の強固な卵膜。たまごのから。
 らんぱく【卵白】卵の卵黄を取り囲むゾル状のたんぱく質。鳥と爬虫類にみられる。白身。
 らんおう【卵黄】動物の卵の中に貯蔵されている栄養物質。たんぱく質・脂質・糖質・無機塩類・ビタミンなどを含み、胚(はい)の発育中に消費される。量や卵内での位置により、等黄卵・端黄卵・中黄卵などに分けられる。鳥類では球状をなし、黄身(きみ)ともいう。
 きみ【黄身】鳥の卵の中の、卵白に包まれる球形の黄色い部分。胚(はい)発生の際の栄養となる。卵黄。
 しろみ【白身】卵の中身の、黄身を包む透明な部分。卵白。
 とうおうらん【等黄卵】黄卵が少なく、卵内にほぼ均一に分布している卵。卵割が均等に行われる。ウニ・ナメクジウオや哺乳類などの卵。
 たんおうらん【端黄卵】卵黄が一方の極にかたよって分布している卵。魚類・鳥類などにみられる。
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無脊椎動物
・原索・棘皮・触手・節足・環形・軟体・扁形・腔腸・海綿

 げんさくどうぶつ【原索動物】動物界の一門。一時期あるいは終生脊索(せきさく)をもち、脊椎はもたない動物。脊椎動物に近縁とされる。尾索類のホヤ、頭索類のナメクジウオなどに分けられ、すべて海産。
 きょくひどうぶつ【棘皮動物】動物界の一門。体は五方向に放射相称で、石灰質の骨片か殻をもち、骨板上にさまざまの形のとげをもつ。運動器官として管足をもち、体内の水管系につながる。幼生は左右相称。すべて海産。ウニ・ナマコ・ヒトデ・ウミユリ・クモヒトデの5綱に分けられる。
 しょくしゅどうぶつ【触手動物】無脊椎動物の一門。触手が口の周囲を冠状に囲む。消化管はU字形に曲がり、肛門は触手冠の外側に開く。コケムシ類・腕足類・ホウキムシ類の3綱に分けられる。
 せっそくどうぶつ【節足動物】 arthropod. 動物界の一門。体はクチクラの外骨格に覆われ、成長にともなって脱皮をする。体節に分かれ、頭・胸・腹部があり、各節に付属肢が一対ずつつくのが原則。頭にはたいてい触角・目をもつ。全動物の4分の3近くの80万種以上を含み、昆虫・甲殻類・蛛形類・唇脚類・倍脚類・剣尾類などに分けられる。
 かんけいどうぶつ【環形動物】 annelid. 動物界の一門。体形はひも状で多数の環節に分かれる。貧毛類(ミミズ)・多毛類(ゴカイ)・ヒル類などに分けられる。環節動物。環虫。
 こうちょうどうぶつ【腔腸動物】 Coelenterata. 動物界の一門。ほとんどが海産。体は外胚葉(がいはいよう)と内胚葉の2層からなり、体内には大きな腔腸をもつ。口の周囲に触手があり、刺胞(しほう)をもつものが多い。着生生活をするポリプ型と浮遊生活をするクラゲ型とがあり、両型を世代交代するものと、どちらか一型だけのものとがある。ヒドロ虫類・ハチクラゲ類・花虫類に分けられる。刺胞動物。
 なんたいどうぶつ【軟体動物】 mollusc. 動物界の一門。体は軟らかく、頭・足・内臓からなるが、明らかな区別はできない。外套膜(がいとうまく)で覆われ、多くは体表に石灰質の殻を分泌する。ヒザラガイ・巻き貝類・ツノガイ類・二枚貝類・頭足類などに分けられる。
 へんけいどうぶつ【扁形動物】動物界の一門。体は背腹に扁平で楕円形または細長く、左右相称をなし、体節構造はない。体表は繊毛またはクチクラで覆われる。循環器・呼吸器・骨格を欠き、多くは肛門もない。渦虫(うずむし)類・吸虫類・条虫類の3綱に分けられる。
 かいめんどうぶつ【海綿動物】 sponges. 動物界の一門。多細胞動物の中では最も下等な体制で、多くは海産。不規則な塊状・壺状・樹枝状をし、岩・海藻などに固着して生活する。体表にある多数の小孔から水をとり、胃腔の襟細胞(えりさいぼう)で餌を消化吸収し、上部の出水孔から吐き出す。運動神経や感覚器官はない。側生動物。
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原生動物
・鞭毛虫・肉質類・胞子虫・繊毛虫

 べんもうちゅう【鞭毛虫】原生動物の一綱。一亜門とされることもある。単細胞で、1本以上の鞭毛をもつ。色素体をもつ植物性鞭毛虫と、もたない動物性鞭毛虫とに分けられ、植物性のものは植物として分類されることもある。ヤコウチュウ・ミドリムシなど、プランクトンとして広く分布し、寄生する種もある。
 にくしつるい【肉質類】肉質綱に属する原生動物の総称。原形質流動や偽足によって運動する。アメーバ・有孔虫・太陽虫・放散虫や粘菌など。根足虫類。
 ほうしちゅう【胞子虫】胞子虫綱の原生動物の総称。寄生性で、栄養は体表を通して宿主から摂取。分裂による無性生殖のほか、有性生殖も行って新宿主への感染型の胞子を形成する。マラリア病原虫・グレガリナ・ピロプラズマなど。
 せんもうちゅう【繊毛虫】原生動物の一群の総称。体表は繊毛に覆われ、細胞核には大核と小核とがある。ゾウリムシ・ラッパムシ・ツリガネムシなど。滴虫(てきちゅう)類。
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節足動物
・昆虫 ・甲殻類 ・蛛形類・唇脚類・倍脚類・剣尾類

 こんちゅう【昆虫】昆虫綱に分類される節足動物の総称。体は頭・胸・腹の3部分に区別でき、頭部には一対の触角と複眼、ふつう3個の単眼をもつ。口はかむ・なめる・吸うなどの型がある。胸部には三対の脚がある。二対の翅(はね)がある有翅(ゆうし)昆虫、翅のない無翅昆虫に大別される。成虫になるまでに脱皮と変態を行う。チョウ・トンボ・バッタ・アリ・甲虫など、種類は全動物中最も多い。六脚虫。虫。
 こうかくるい【甲殻類】甲殻綱の節足動物の総称。エビ・カニ・ヤドカリ・アミ・ミジンコなど。主に水中にすみ、えらで呼吸。体は頭・胸・腹の3部に分かれ、胸部の付属肢は歩行・捕食または遊泳に、腹部の付属肢は遊泳または哺育(ほいく)に使われる。
 ちゅけいるい【蛛形類】蛛形綱の節足動物の総称。体は頭胸部と腹部とに分かれ、上顎(じょうがく)(鋏角(きょうかく)とも)・触肢(しょくし)各一対と、四対の歩脚をもつ。触角・翅(はね)をもたず、単眼だけで複眼はない。サソリ・クモ・ダニなど。くもがたるい。しゅけいるい。
 しんきゃくるい【唇脚類】唇脚綱の節足動物の総称。ムカデ・ゲジなど。頭には触角・目・毒牙があり、胴は15~170以上の体節からなり、各体節に一対の歩脚をもつ。
 ばいきゃくるい【倍脚類】倍脚綱の節足動物の総称。体は頭部と胴部とに分かれ、胴部のほとんどの体節に二対ずつ脚をもつ。ヤスデ類。
 けんびるい【剣尾類】節足動物の一群。カブトガニの類。
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 かんせつ【環節】ヒル類の体表面を区切る環状の分節。体節とは異なり、内部構造とは関係ない。また、体節をいう場合もある。輪節。
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環形動物
・貧毛類・多毛類・ヒル類

 ひんもうるい【貧毛類】貧毛綱の環形動物の総称。頭部に触手や眼点はなく、胴部には剛毛をもつが多毛類より貧弱。ミミズ類。
 たもうるい【多毛類】多毛綱の環形動物の総称。体は細長く、頭部には触手・眼点があり、胴には剛毛をもった多数のいぼ足がある。多くは海産。天然飼料として重要。ゴカイ・ケヤリムシなど。
 ひる【蛭】ヒル綱の環形動物の総称。池沼・水田・森林や海にすみ、他の動物から吸血したり寄生したりする。体は扁平または円筒形で細長く、環節は34個あり、前後端の腹面に吸盤をもつ。雌雄同体。チスイビル・ウマビル・ヤマビルなど。
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 こうちょう【腔腸】クラゲ・サンゴ・イソギンチャクなどの、口に続く袋状の所。胃腸の働きと循環器の働きをする。
 しょくしゅ【触手】無脊椎動物の口の周囲にある小突起。感覚細胞が多く分布し、触覚や捕食の働きをする。
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 げんさくどうぶつ【原索動物】動物界の一門。一時期あるいは終生脊索(せきさく)をもち、脊椎(せきつい)はもたない動物。脊椎動物に近縁とされる。尾索類のホヤ、頭索類のナメクジウオなどに分けられ、すべて海産。
 びさくるい【尾索類】尾索綱の原索動物の総称。海産で、幼生期あるいは終生、尾部に脊索をもつ。体は表皮から分泌・形成される被嚢(ひのう)で覆われ、群体または単体。着生生活をするホヤ類、浮遊生活をするサルパ類などがある。被嚢類(ひのうるい)。
 とうさくるい【頭索類】頭索綱に分類される原索動物。体は魚形をし、脊索が頭部にまで伸び、その背面を神経が並走する。筋肉は体節制を示す。雌雄異体。暖海に分布。ナメクジウオ類。
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 ウイルス【virus】光学顕微鏡では見ることができず、細菌濾過(ろか)器を通過してしまう病原体。生物と無生物の中間形とされ、大きさは20~300ナノメートル。外殻はたんぱく質からなり、内部に遺伝子のDNAまたはRNAを含む。単独では生命活動を営めず、生きた細胞に寄生して生活・増殖する。濾過性病原体。バイラス。ビールス。
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 せいかつし【生活史】生物個体の発生から死までの全生活過程。
 アメーバ【amoeba】肉質類の原生動物の総称。単細胞で、大きさは0.02~0.5ミリ。増殖は分裂による。たえず形を変えて、仮足とよばれる原形質の突起を伸ばして運動・捕食する。淡水・海水・土壌中に広くすみ、また寄生性で病原性をもつものもある。アミーバ。
 ぞうりむし【草履虫】繊毛虫(せんもうちゅう)類ゾウリムシ科の原生動物。有機物の多い淡水にすむ。体長約0.2ミリ、細長い草履形で、繊毛を動かして移動する。
 ほしょく【捕食】生物が他の生物をとらえて食うこと。
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 かそく【仮足】偽足。
 ぎそく【偽足】アメーバなどの原生動物、また血液中の白血球などにみられる、原形質体から形成される一時的突起。伸縮し、運動や食物摂取の働きをする。虚足。根足。仮足。
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脊椎動物
・哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類

 ほにゅうるい【哺乳類】 the mammals. 哺乳綱の脊椎動物の総称。皮膚に毛を生じ、汗腺(かんせん)・乳腺などがあり、子を乳で育てる。肺呼吸をし、鳥類とともに恒温動物で、心臓は完全に二心房二心室の四つに区画される。大脳半球が大きく発達。単孔類以外は胎生。中生代三畳紀の後期に爬虫類から分かれ、新生代に急速に繁栄。現生種は有袋・食虫・翼手・霊長・食肉・クジラ・偶蹄(ぐうてい)・奇蹄・長鼻・齧歯(げっし)・ウサギなど19目約4300種に分類。
 ちょうるい【鳥類】鳥綱の脊椎動物の総称。体は羽毛で覆われ、前肢が翼となって飛翔(ひしょう)に適し、くちばしをもつ、卵生の恒温動物。世界中に約8600種が分布。とり。
 はちゅうるい【爬虫類】 reptiles. 爬虫綱に分類される脊椎動物の総称。カメ・トカゲ・ヘビ・ワニなど。変温動物で、体は表皮の角質化した うろこ で 覆われ、四肢は短小または退化して消失。大部分が陸生で、肺呼吸を行う。卵生、一部は卵胎生。古生代二畳紀に両生類から進化し、中生代に繁栄して恐竜など大形種も生じていた。
 りょうせいるい【両生類】 amphibious. 両生綱の脊椎動物の総称。魚類と爬虫類との間に位置し、幼時は水中でえら呼吸をし、変態後は肺呼吸をする。心臓は二心房一心室。体表にうろこ・毛・羽がなく、変温動物で、卵生または卵胎生。海および極地を除き世界に広く分布し、無尾類のカエル、有尾類のイモリ・サンショウウオ、無足類のアシナシイモリなどのほか、イクチオステガなどの化石種がある。
 ぎょるい【魚類】 fish. 脊椎動物の一群。円口類・軟骨魚類・硬骨魚類に大別される。水中で生活し、えらで水中の溶存酸素を取り入れて呼吸する。体には背びれ・しりびれ・尾びれや、対をなす胸びれ・腹びれなどを備え、多くは体表に鱗(うろこ)がある。繁殖方法は卵生が主で、卵胎生もある。うお。さかな。
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 ひれ【鰭】 fin. 魚類や水生哺乳類の遊泳のための器官。魚類では体の正中線上にあって対をなさない背びれ・しりびれ・尾びれと、体側にあって対をなす胸びれ・腹びれがある。
 せびれ【背鰭】魚類の背の中央に沿って縦にあるひれ。
 しりびれ【臀鰭】魚類の肛門(こうもん)の後方にあるひれ。
 おびれ【尾鰭】魚類の体の後端にあるひれ。
 むなびれ【胸鰭】魚類の胸にある一対のひれ。
 はらびれ【腹鰭】魚類の腹部にある左右一対のひれ。
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・胎生・卵生・卵胎生

 たいせい【胎生】受精した卵子が胎盤によって直接母体につながり、栄養を受けて発育し、親とほぼ同じ姿になって生まれること。単孔類を除く哺乳類にみられる発生方法。
 らんせい【卵生】卵が母体外に産み出されて発育すること。養分は卵中にある卵黄からとる。哺乳類以外の大部分の動物および単孔類にみられる。
 らんたいせい【卵胎生】受精卵が母体内にとどまって発育し、孵化(ふか)し幼体となってから母体外へ出ること。母体とはつながっておらず、養分を主に卵黄からとるものをいう。マムシ・タニシ・ウミタナゴ・サメ・エイ・グッピーなどにみられる。
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 たいばん【胎盤】子宮内にあって、胎児と臍帯(さいたい)によってつながり、母体との物質交換を仲介する海綿状・盤状の器官。胎児の娩出(べんしゅつ)のあと脱落する。
 じゅせいらん【受精卵】受精を終えた卵。ふつう、個体発生を開始する。
 しきゅう【子宮】単孔類を除く哺乳類の雌の生殖器官の一部。輸卵管の一部が変化した筋肉性の器官で、受精卵が着床し発育する。
 たいじ【胎児】哺乳類の母胎内にあってまだ出生しない子。人間では妊娠第8週以後の人間としての形が明らかになったものをいう。
 さいたい【臍帯】胎児と胎盤とをつなぐ、ひも状の器官。中に2本の動脈と1本の静脈があり、母体から養分や酸素を胎児に送り、胎児から母体に老廃物や二酸化炭素を送り出す。へそのお。せいたい。
 べんしゅつ【娩出】胎児を産み出すこと。
 ゆらんかん【輸卵管】卵管。
 らんかん【卵管】雌性生殖器の一部。卵巣から排出された卵を子宮あるいは体外に向かって運ぶ管。人間ではここで受精が行われ、卵割を終えて子宮壁に着床(ちゃくしょう)する。輸卵管。喇叭(らっぱ)管。
 じゅせい【受精】雌性生殖細胞の卵に雄性生殖細胞の精子が融合し、両者のもつ核が合体すること。

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