Tuesday, March 7, 2017

慣用句

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慣用句

 相槌(あいづち)を打つ: 相手の話に調子を合わせて、受け答えをする。
 あいづち【相槌/相鎚】鍛冶 (かじ) で、二人の職人が交互に槌を打ち合わす事。あいのつち。
 つち【槌/鎚/椎】物を叩く工具。頭部は普通円柱形で、柄が付いている。木づち・金づちなどがある。
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 愛想(あいそ)が尽きる: 好意や信頼が持てなくなる。
 開(あ)いた口が塞(ふさ)がらぬ: 驚き あきれて、物が言えないさま。
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 揚(あ)げ足を取る: 人の言い間違いや言葉尻を捕らえて非難したり、からかったりする。
 言葉尻(ことばじり)を捕(と)らえる: 相手の些細な言い損ないにつけ込んで、攻撃したり批判したりする。
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 顎(あご)が落ちる: 食物の味の非常によい事の例え。
 頬っ辺(ほっぺた)が落ちる: 大変美味しい事を表す言葉。
 頬(ほお)が落ちる: この上なく美味である事に言う。
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 顎(あご)を外す: 大笑いをする事の例え。
 顎で使う: 高慢な態度で、意のままに人を使う。
 足が地に着かない: 1 緊張や興奮の為、心が落ち着かない。2 考え方や行動が浮ついて、しっかりしていない。
 足が出る: 1 予算または収入よりも出費が多くなる。赤字になる。2 隠しごとが現れる。ぼろが出る。
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 足元に火がつく: 危険が身辺に迫っている事を言う。
 しんぺん【身辺】身のまわり。身近なあたり。
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 足元に付け込む: 相手の弱点を見抜いて、それを利用する。弱みに乗じる。
 足元を見る: 相手の弱みに付け込む。
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 足元にも及ばない: 相手がすぐれていて、比べ物にならない。足元へも寄りつけない。
 足を洗う: 悪い仲間から離れる。好ましくない生活をやめる。職業・仕事を辞める場合にも用いる。
 足を引っ張る: 人の成功や前進を邪魔する。また、妨げとなる。
 足が棒になる: 長く立ったり歩いたりして疲れ果て、足の筋肉がこわばる。
 汗水を流す: 労苦をいとわず一生懸命に働く。
 頭が古い: 考え方が古臭い。
 頭を下(さ)げる: 1 御辞儀をする。2 謝る。わびる。3 敬服する。感服する。
 後(あと)を引く: 1 余波がいつまでも続いて、きまりがつかない。尾を引く。2 いつまでも欲しい感じが残る。
 穴があったら入(はい)りたい: 身を隠したいくらいに恥ずかしい。
 穴のあくほど: じっと見詰める様子を言う。
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 油を売る: 《近世、髪油の行商人が、客を相手に世間話をしながら売る事が多かった事から》無駄話などをして仕事を怠ける。
 かみあぶら【髪油】髪の形を整え色つやをよくする為に頭髪につける油。鬢 (びん) 付け油・梳 (す) き油など。
 ぎょうしょうにん【行商人】行商してまわる商人。
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 油を絞(しぼ)る: 1 過ちや失敗を厳しく責める。2 酷い(ひどい)苦労をする。
 網(あみ)の目(め)を潜(くぐ)る: 1 捜査網や監視からうまく逃れる。2 法律・規則の盲点をついて悪事を働く。違法行為とならない方法であくどい事を行う。
 蟻(あり)の這(は)い出る隙(すき)もない: 少しの隙間も無いほど、警戒が厳重な事の例え。
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 気が引ける: 気おくれがする。引け目を感じる。
 肩身(かたみ)が狭い: 世間に対して面目が立たず、引け目を感じる。
 頭が上がらない: 1 引け目を感じて対等な関係に立てない。2 病気が重くて枕 (まくら) から頭を起こせない。
 合(あ)わせる顔が無い: 面目なくて、その人に会いに行けない。その人の前に出られない。
 男を上(あ)げる: 立派な行為をして、男の面目を施す。
 男が廃(すた)る: 男としての面目がつぶれる。
 顔が立つ: 世間に対して面目が保たれる。
 顔に泥(どろ)を塗る: 面目を失わせる。恥をかかせる。
 顔を潰(つぶ)す: 面目を失わせる。名誉を傷つける。
 たつせ【立つ瀬】立場。世間に対する面目。

 ひけめ【引け目】自分が他人より劣っていると感じる事。劣等感。気おくれ。
 きおくれ【気後れ】相手の勢いやその場の雰囲気などに押されて、心がひるむこと。気おじ。
 めんぼく【面目】めんもく。1 世間や周囲に対する体面・立場・名誉。また、世間からの評価。2 物事のありさま。ようす。
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 泡を食う: 驚きあわてる。
 泡を吹かす: 人を驚かし、あわてさせる。
 息が合う: 物事を行う調子や気分がぴったり合う。
 息が掛(か)かる: 有力者の後援や支配を受ける。
 息の根(ね)を止める: 1 殺す。2 相手を完全に倒し、活動出来ないようにする。
 息を入れる: 仕事などの中途で休憩する。ひと休みする。
 息を殺す: 呼吸の音もさせないで、じっとしている。
 息を呑(の)む: おそれや驚きなどで一瞬息を止める。
 息を吹き返す: 1 生き返る。 2 駄目になりそうだった物が立ち直る。
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 威儀(いぎ)を正(ただ)す: 身形(みなり)を整え、おもおもしい態度をとる。威儀を繕う。
 おもおもしい【重重しい】1 落ち着いていて威厳が感じられる。2 いかにも重そうである。重圧感を覚える。3 身分や地位が重い。並々でない。4 主だっているさま。
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 異彩(いさい)を放つ: 1 普通とは違った色彩や光を出す。2 多くの中できわだって見える。
 きわだつ【際立つ】周囲の物とはっきりした違いがあって、ひときわ目立つ。よい意味に使われる場合が多い。
 ひときわ【一際】1 他と比べて特に目立っているさま。一段と。2 区別せず、ひとまとめに扱うさま。
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 痛くも痒(かゆ)くもない:  少しも苦痛を感じない。全く影響が無い。痛痒 (つうよう) を感じない。
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 板(いた)に付く:1 役者が経験を積んで、演技が舞台によく調和する。2 経験を積んで、動作や態度が地位・職業などにしっくり合う。
 しっくり: 1 物と物、人の心と心などが調和して、安定しているさま。ぴったり。2 強く、鋭く刺激を与えるさま。ぎゅっと。ちくりと。
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 至(いた)れり尽(つ)くせり: 配慮が行き届いて、申し分がない。
 一言(いちごん)もない: ひとことも弁解出来ない。弁明する余地がない。
 一(いち)も二もなく: 提示された事に対して、とやかく言うまでもなく。即座に。
 とやかく: なんのかのと。あれこれと。
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 一線(いっせん)を画(かく)する: 境界線を引いて区切りをつける。はっきり区別する。
 一杯(いっぱい)食わす: うまく人を騙す(だます)。
 糸を引く: 1 《操り人形を、糸を引いて動かす事から》裏で指図して人を操る。2 影響などが長く続いて絶えない。3 ねばついて糸を張ったような状態になる。4 ボールなどが、まっすぐ空中を動いていく。
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 いばらのみち【茨の道】: 茨の生えている道。困難な状況や苦難の多い人生にたとえる。いばらみち。
 いばら【茨】〔とげのある低木〕a thorn, a briar, a bramble; 〔とげ〕a thorn
 いばら【茨/荊/棘】1 バラ・カラタチなど、とげのある低木の総称。荊棘 (けいきょく) 。2 人里近くに多いバラ科バラ属の低木の総称。ノイバラ・ヤマイバラ・ヤブイバラなど。3 植物のとげ。4 身に受ける苦難のたとえ。
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 いろめがね【色眼鏡】1 着色したレンズをはめた眼鏡。サングラスなど。2 偏った物の見方。先入観にとらわれた物の見方。
 はめる【填める/嵌める】1 ある形に合うように中に入れておさめる。ぴったりと入れ込む。2 ある形に合うように外側にかぶせる。環状のものなどを通す。3 中に落とし入れる。投げ込む。4 ある制限・範囲内におさめ入れる。5 計略にかける。いっぱいくわせる。
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 色を失う: 心配や恐れなどで顔が真っ青になる。意外な事態に対処しきれない様子。
 まっさお【真っ青】1 純粋に青い事。また、そのさま。2 血の気がひいて顔色が悪い事。青ざめる事。また、そのさま。
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 色を付ける: 物事の扱いに情を加える。値引きしたり、割り増ししたりする。
 因果を含める: 道理をよくよく言い聞かせて納得させる。止(や)むを得ない状況を説いてあきらめさせる。
 うきあしだつ【浮(き)足立つ】: 不安や恐れで落ち着きを失う。逃げ腰になる。
 うしろがみ【後ろ髪】(「後ろ髪を引かれる」の形で)心残りがしてなかなか思い切れない事。
 うしろゆび【後ろ指】(多く「後ろ指をさす」の形で)後ろから指さして、そしる事。陰で人の悪口を言う事。
 後(うし)ろを見せる: 背を見せて逃げる。また、弱みを見せる。
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 梲(うだつ)が上がらない: 地位・生活などがよくならない。ぱっとしない。梲を設けたのが物持ちの家だったからとも、「梲が上がる」が棟上げをする意の大工言葉から転じて志を得る意となったことからともいう。
 うだつ【梲/卯建つ】民家で、妻の壁面を屋根より高く造った部分。また、建物の外側に張り出して設けた防火用の袖壁 (そでかべ) 。
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 現(うつつ)を抜(ぬ)かす: ある事に夢中になり、心を奪われる。
 うつつ【現】1 この世に現に存在しているもの。現実。夢・虚構などに対して言う。2 意識の正常な状態。正気。3 《「夢うつつ」「夢かうつつか」などの形で用いられるところから誤って》夢とも現実ともはっきりしない状態。夢見心地。夢心地。4 現実に生きている状態。現存。死に対して言う。
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 打てば響く: 働きかけるとすぐに反応する。
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 腕が上(あ)がる: 腕前・技術が進歩する。
 腕が鳴る: 技能や力を発揮したくて じっとして いられない でいる。
 腕に覚えがある: 自分の腕前・力量に自信を持っている。
 腕に縒(よ)りを掛(か)ける: 自信のある腕前を十分に発揮しようと意気込む。
 腕を振るう: 自分の腕前・技能を存分に人に見せる。
 腕を磨く: 技能が上達するように訓練する。
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 馬が合う: 気がよく合う。意気投合する。
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 鎬(しのぎ)を削る: 激しく刀で切り合う。転じて、激しく争う。
 火花(ひばな)を散らす: 互いに激しく刀を打ち合わせて戦う。転じて、激しく争う。火を散らす。
 しのぎ【鎬】1 刀剣で、刃と峰との間に刀身を貫いて走る稜線。鎬筋。2 部材の上端の中央を残し両側を低く削って、刀の背峰のようにした形。

 兜(かぶと)を脱ぐ: 相手の力を認めて降参する。
 反(そ)りが合わない: 刀身と鞘 (さや) との関係から、「そりが合う」「そりを合わせる」などの形で用いる)人の性向や、世の風潮。また、それとの相性。

 かぶと【兜/冑/甲】1 武将が頭部を防護する為にかぶった武具。頭を入れるところを鉢 (はち) 、その下に垂れて頸部 (けいぶ) を覆う部分を錏 (しころ) といい、鉄や革などで作る。2 舞楽で用いる、鳥兜 (とりかぶと) 。3 端午の節句の、1を模した飾り物。また、「兜人形」の略。
 かたな【刀】1 武器として使った片刃の刃物。2 江戸時代、武士が脇差 (わきざし) とともに差した大刀。3 太刀の小さいもの。4 小さい刃物。きれもの。
 だいとう【大刀】1 大きな刀。太刀 (たち) 。2 武士が差した大小2本の刀のうち、大きいほうの刀。
 わきざし【脇差/脇指】1 武士が腰に差す大小2刀のうち、小刀の称。2 腰刀。3 近世、町民などが道中のときに護身用に腰に差した刀。武士の大刀と小刀の中間の長さ。道中差し。
 りょうせん【稜線】山の峰から峰へ続く線。尾根。
 せみね【背峰】馬などの背筋。また、馬の背筋のような長く連なった高地。背柄 (せつか) 。
 とうけん【刀剣】刀や剣 (つるぎ) の総称。
 とうしん【刀身】刀の、鞘  におさまる部分。
 さや【鞘】刀剣類の刀身の部分を納めておく筒。刀室 (とうしつ) 。
 とうしつ【刀室】刀の鞘  。
 つるぎ【剣】諸刃 (もろは) の刀。また、刀剣の総称。けん。
 もろは【諸刃/両刃】刀剣などで、鎬 を境に両方に刃がついている事。また、その刃物。りょうば。
 かたは【片刃】1 刃物で、刃先の断面の片側だけに刃がついていること。また、その刃物。2 刀剣などで、鎬 (しのぎ) を境に片側だけに刃がついていること。また、その刃物。 
 はもの【刃物】刃がついていて物を切断したり削ったりする道具の総称。包丁・小刀・はさみなど。切れ物。
 はさき【刃先】刃の先端。刀などのきっさき。
 はもと【刃元】刃物の刃の柄に近い方

 盾(たて)に取る: 1 防御物として、その陰に隠れる。2 ある物事を言い訳・言いがかりなどの材料とする。
 いいがかり【言(い)掛(か)り】1 口実を作って、難癖をつける事。また、その事柄。2 言い出して、あとに引けなくなる事。
 ぼうぎょぶっしつ【防御物質】生物が他から捕食や攻撃を受けたり、刺激されたりした時に放出する化学物質。昆虫、カエルやスカンクなどの脊椎動物のほか、植物にも見られる。相手を直接攻撃したり、近くの同種に危険を知らせたりする役割を持つ。

 弓(ゆみ)を引く: 1 「弓を鳴らす」に同じ。2 弓に矢をつがえて射る。弓を射る。3 反抗する。背く。楯 (たて) つく。
 盾(たて)を突く: 戦いの為に盾を地面に突き立てる。転じて、反抗する。逆らう。たてつく。
 たてつく【盾突く/楯突く】目上の人に対して逆らう。従わずに文句を言ったりして反抗する。たてをつく。

 ゆみ【弓】武器の一。木や竹をしなわせて弦 (つる) を張り、その弾力を利用して、つがえた矢を飛ばす物。
 いる【射る】1 矢を弓につがえて放つ。2 矢や弾丸を目的物に当てる。3 光が強く照らす。4 向けて放たれたものが対象をとらえる。
 つがえる【番える】1 矢筈 (やはず) を弓の弦にかける。つがう。2 かたく約束する。

 裏をかく: 1 相手が予想したのとは反対の事をして相手を出し抜く。2 矢・槍 (やり) ・刀などが鎧 (よろい) などの裏まで突き通る。うらかく。

 よろい【鎧/甲】1 着用して身体を被護する武具。被護部分により、頸甲 (くびよろい) ・肩甲・胸甲・膝甲 (ひざよろい) などという。2 胴から大腿部 (だいたいぶ) にかけて被護する武具の総称。短甲 (たんこう) ・挂甲 (けいこう) ・大鎧 (おおよろい) ・腹巻き・胴丸・腹当ての類。3 特に、大鎧のこと。4 「鎧形 (よろいがた) 」の略。
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 うまい汁を吸う: 自分は苦労をせずに、自分の地位や他人を利用して多くの利益を得る。
 襟(えり)を正(ただ)す: 1 自己の乱れた衣服や姿勢を整える。2 それまでの態度を改めて、気持ちを引き締める。
 襟(えり)を開く: 隠しだてせず心の中を打ち明ける。胸襟 (きょうきん) を開く。
 煙幕(えんまく)を張る: 相手に真意を悟らせない為に、ごまかしたり、曖昧(あいまい)な言い方をしたりする。
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 大きな顔: 威張った顔つき・態度。また、平然とした顔つき・態度。大きな面 (つら) 。
 いばる【威張る】威勢を張って偉そうにする。えばる。
 かおつき【顔付き】1 顔の様子。顔だち。容貌 (ようぼう) 。2 気持ちを表す顔の様子。表情。
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 大目(おおめ)に見る: 人の過失や悪いところなどを 厳しく とがめず 寛大に扱う。
 かんだい【寛大】度量が大きく、思いやりがあり、無闇に人を責めない事。また、そのさま。
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 奥歯(おくば)に物が挟(はさ)まったよう: 思っている事、言いたい事をはっきりと言わずに、なんとなく ぼかして いる感じである。
 押(お)しが強い: 自分の意思どおりに強引に事を運ぼうとする。転じて、あつかましい。
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 押(お)しも押(お)されもせぬ: どこへ出ても圧倒される事が無い。実力があって堂々としている。押すに押されぬ。
 どうどう【堂堂】 1 立派で威厳のあるさま。2 なんの隠しだても無いさま。こそこそしないさま。
 いげん【威厳】近寄りがたいほど堂々としておごそかな事。
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 御茶を濁(にご)す: 好い加減に言ったりしたりしてその場をごまかす。
 同じ釜(かま)の飯(めし)を食う: 生活を共にした親しい仲間である事の例え。
 御鉢(おはち)が回(まわ)る: 順番が回ってくる。
 尾鰭(おひれ)を付ける: 実際に無い事を付け加えて話を大袈裟(おおげさ)にする。
 重荷(おもに)を下ろす: 責任を果たしてほっとする。気にかかっていた事が解決して安心する。
 おりがみつき【折(り)紙付き】: 1 鑑定保証書がついている事。また、その物。2 その物の価値・資格などに定評のある事。保証が出来る事。
 音頭(おんど)を取る: 1 大勢で歌う時、調子を示す為に先に歌う。2 人の先に立って手はずを整え、実現するように皆をまとめてゆく。
 恩に着せる: 恩を施した事について、ことさらに有り難く思わせようとする。恩に掛ける。
 恩を売る: 相手からの感謝や見返りなどを期待して恩を施す。
 顔が利(き)く: 信用や力がある為に相手に対して無理が言える。
 顔が広い: 付き合いの範囲が広い。知り合いが多い。
 顔から火が出る: 恥ずかしくて顔が真っ赤になる。
 顔を売る: 世間に広く知られようとする。
 顔を繋(つな)ぐ: 人に忘れられないように、折に触れて訪問したり出席したりする。顔つなぎをする。
 影(かげ)が薄い: 1 元気がない様子である。命が短いように見える。2 その存在が目立たない。印象が弱い。
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 肩で風を切る: 肩をそびやかして、得意そうに歩く。
 そびやかす【聳やかす】そびえるようにする。肩などを、ことさら高く上げる。
 そびえる【聳える】1 山などが非常に高く立つ。そそりたつ。2 ほっそりしている。すらりとしている。
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 肩の荷が下りる: 責任や負担から解放されて楽になる。
 肩を並べる: 1 横に並ぶ。肩をそろえて進む。2 対等の位置に立つ。同じ程度の力や地位を持って張り合う。
 肩を持つ: 対立しているものの一方の味方をする。ひいきをする。
 角(かど)が取れる: 世慣れて性格が円満になる。人柄がまるくなる。 
 よなれる【世慣れる/世馴れる】1 世間の事情に通じている。世故にたける。2 異性との交際に通じている。
 株が上(あ)がる: その人の評判がよくなる。
 壁に突き当たる: それ以上進むのが困難な状況になる。仕事や考えなどが行き詰まる。壁にぶつかる。
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 鎌(かま)を掛(か)ける: 相手に本当の事を白状させる為に、それとなく言葉巧みに問いかける。
 それとなく【其れと無く】遠回しに。それとなしに。
 とおまわし【遠回し】直接的な表現を避けて、それとなく言う事。また、そのさま。
 それとなしに【其れと無しに】それとなく。それとはなしに。
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 気が置けない: 遠慮したり気を使ったりする必要が無く、心から打ち解ける事が出来る。
 機(き)が熟(じゅく)する: ある物事をするのに、丁度よい時機になる。
 気が利(き)く: 1 細かいところにまで注意が及ぶ。2 しゃれている。粋である。
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 踵(きびす)を返す: 後戻りする。引き返す。きびすを回 (めぐ) らす。
 きびす【踵】1 かかと。くびす。2 履物の、かかとにあたる部分。
 あともどり【後戻り】1 来た方へ引き返す事。2 よい状態を保っていた物事が、また悪くなる事。
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 肝(きも)に銘ずる: 心に強く刻み付けて忘れない。
 肝(きも)を潰(つぶ)す: 非常に驚く。
 灸(きゅう)を据(す)える:  きつく注意したり罰を加えたりして懲(こ)らしめる。
 気が短い: 短気である。すぐいらいらしたり怒ったりする。
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 気を回す: 必要以上にあれこれ考える。よけいな憶測や邪推をする。
 じゃすい【邪推】他人の心意を悪く推量する事。ひがんで、自分に悪意をもっていると疑ってかかる事。
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 釘(くぎ)を刺(さ)す: 約束違反や言い逃れが出来ないように念を押す。釘を打つ。
 口裏(くちうら)を合わせる: 予め(あらかじめ)相談して話の内容が食い違わないようにする。
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 口が重い: 口数が少ない。寡黙である。
 かもく【寡黙】口数が少ない事。また、そのさま。
 くちかず【口数】物を言う回数。ことばかず。
 口が堅い: 言うべきでない事を無闇に他言しない。
 口が軽い: おしゃべりで、言ってはいけない事まで言ってしまう。
 口が滑る: 言ってはならない事をうっかり言ってしまう。
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 口が酸っぱくなる程: 同じ言葉をなん度も繰り返して言い聞かせるさま。
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 口車(くちぐるま)に乗る: 言葉巧みに言われてだまされる。おだてに乗る。
 おだてる【煽てる】1 嬉しがる事を言って、相手を得意にさせる。何かをさせようと、ことさらに褒(ほ)める。もちあげる。2 人が落ち着いていられないほどに騒ぎたてる。
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 嘴(くちばし)が黄色(きいろ)い: 《ひな鳥のくちばしが黄色いところから》年が若くて経験の足りないことを嘲(あざけ)って言う言葉。
 くちばし【嘴/喙】《「口端 (くちばし) 」の意》鳥類の口の部分に突出する、上下のあごの骨の表面が角質化したもの。えさをとるほか、水飲み、羽の手入れにも使う。食性により形はさまざま。カモノハシやウミガメにもみられる。
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 口火(くちび)を切る: 物事を他に先がけて行って、切っ掛け(きっかけ)を作る。
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 口を割る: 白状する。
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 首が回らない: 借金など、支払うべき金が多くて遣り繰りがつかない。
 やりくり【遣り繰り】不十分なものをあれこれ工夫して都合をつけること。
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 首を突っ込む: 関心や興味を持って、その事に関係を持つ。また、ある事に深入りする。
 蜘蛛(くも)の子を散らす: 《蜘蛛の子の入っている袋を破ると、蜘蛛の子が四方八方に散るところから》大勢のものが散りぢりになって逃げていく事の例え。
 軍配(ぐんばい)を上(あ)げる: 相撲で、行司が勝ったほうの力士を軍配団扇 (うちわ) で指し示す。転じて試合や競争などで、勝利・優勢の判定を下す。
 芸(げい)が細かい: 細部にまで注意が払われていて綿密である。する事に念が入っている。
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 下駄(げた)を預ける: 相手に物事の処理の方法や責任などを一任する。
 いちにん【一任】物事の処理・決定の全てをまかせる事。
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 煙(けむ)に巻く: 大袈裟な事や相手の知らないような事ばかりを言い立てて、相手を圧倒したり、ごまかしたりする。
 けりを付ける: 結末をつける。決着をつける。
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 心が騒ぐ: 気持ちが落ち着かない。また、胸騒ぎがする。
 むなさわぎ【胸騒ぎ】心配ごとや悪い予感などのために心が穏やかでないこと。
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 心に掛(か)かる: 1 ある事柄が心から離れないでいる。気に掛かる。2 人の厚意にすがる。
 心を尽くす: 心の底から思ってする。出来る限りの事をする。
 心を許す: 気を許す。また、打ち解ける。
 腰(こし)を据(す)える: 1 腰を下げて構える。腰の重心を低くする。2 落ち着いて事に当たる。腰を落ち着ける。3 ある場所に落ち着く。腰を落ち着ける。
 腰(こし)を抜かす: 1 腰の関節が外れたり、腰の力がなくなったりして立てなくなる。2 驚きや恐れの為に立ち上がれなくなる。
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 小耳(こみみ)に挟む: 聞くともなしに聞く。ちらりと聞く。
 ともない[連語]《「たくもない」の転じた「たうもない」の音変化》動詞の連用形に付いて、…することを望まない、の意を表す。
 ちらり: 1 瞬間的に見たり見えたりするさま。2 わずかに聞こえたり聞いたりするさま。
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 匙(さじ)を投げる: 《薬を調合する匙を投げ出す意から》医者が、これ以上治療法が無いとして病人を見放す。また、救済や解決の見込みが無いとして、手を引く。
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 様(さま)になる: それに相応しい様子になる。かっこうがつく。
 ふさわしい【相応しい】似つかわしい。つり合っている。
 格好が付く: 人に見せられる程度になる。体裁が整う。
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 三拍子(さんびょうし)揃(そろ)う: 必要な要素をすべて備えている。
 さんびょうし【三拍子】1 音楽で、三つの拍を一つの単位とする拍子。強・弱・弱の配置をとる。
2 小鼓・大鼓・太鼓・笛など3種の楽器で拍子をとること。また、その拍子。3 三つの重要な条件。
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 舌が回る: よどみなくしゃべる。
 よどみない【淀み無い/澱み無い】止まる事なく、滑らかに流れ動くさま。
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 舌を出す: 1 陰で人を馬鹿にしたり、あざけり笑ったりする。また、そう言う時の動作。2 恥ずかしさなどをごまかす動作。
 舌を巻く: あまりにも すぐれていて、ひどく驚く。感嘆する。
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 尻尾(しっぽ)を出す: 《化けた狐や狸が尻尾を出して正体を見破られる意から》隠していた事やごまかしが露見する。ぼろを出す。
 ろけん【露見/露顕】1 秘密や悪事など隠していたことが表に現れること。ばれること。2 結婚してから3日目に他人に披露する事。ところあらわし。
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 尻尾(しっぽ)を掴(つか)む: 他人のごまかしや悪事の証拠などを押さえる。
 自腹(じばら)を切る: 必ずしも自分が負担する必要の無い経費などを、自分の金で支払う。身銭を切る。
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 私腹(しふく)を肥やす: 公の地位や立場を利用して、自分の財産を殖やす。
 こやす【肥やす】1 肥料などをほどこして地味をよくする。肥沃 (ひよく) にする。2 栄養を与えて太らせる。3 不当に利益を得させる。「私腹を―・す」4 経験を積んで、物の良し悪しを判断できる能力を豊かにする。5 見たり聞いたりして心を満足させる。喜ばす。楽します。
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 終止(しゅうし)符を打つ: 終わりにする。結末をつける。ピリオドを打つ。
 食指(しょくし)が動く: 食欲が起こる。転じて、ある物事に対し欲望や興味が生じる。
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 口を拭(ぬぐ)う: 《盗み食いの後、口をふいて素知らぬ顔をする意から》何か悪い事をしていながら素知らぬふりをする。また、知っていながら知らないふりをする。
 そしらぬ【素知らぬ】知っているのにそうでないふりをするさま。

 白(しら)を切る: わざと知らないふりをする。しらばくれる。
 しらばくれる: 知っていて知らないさまを装う。しらばっくれる。
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 尻が重い: めんどうがって、なかなか動こうとしない。また、物事をするのに、動作がにぶい。
 尻が軽い: 1 気軽に物事を始める。また、動作が活発・軽快である。2 行いが軽々しい。軽はずみである。3 女性が浮気である。
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 尻に火が付く: 事態が差し迫って、追いつめられた状態になる。
 尻を拭(ぬぐ)う: 人の失敗や不始末の後始末をする。尻ぬぐいをする。
 白い目で見る: 冷淡な、悪意のこもった目で人を見る。白眼視する。
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 心血(しんけつ)を注ぐ: 心身の力のありったけを尽くして行う。
 ありったけ【有りっ丈】あるだけ全部。可能な限り多く。できるだけ。思う存分。
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 辛酸(しんさん)を嘗(な)める: 苦しく、つらい目にあう。
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 水泡(すいほう)に帰する: 努力の甲斐も無く全く無駄に終わる。
 かい【甲斐/詮/効】1 行動の結果として現れるしるし。努力した効果。2 期待できるだけの値うち。
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 雀(すずめ)の涙: ごくわずかな物の例え。
 図(ず)に乗る: いい気になって勢いづく。調子に乗る。つけあがる。
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 痛くもない腹を探られる: 何のやましい事もしていないのに、疑いをかけられる。
 やましい【疚しい/疾しい】1 良心がとがめる。後ろめたい。2 病気であるような気がする。気分が悪い。3 不満やあせりを感じる。もどかしい。
 とがめる【咎める】1 悪いことをしたと心を痛める。2 傷やはれものをいじって悪くする。また、悪くなる。3 過ちや罪・欠点などを取り上げて責める。非難する。4 怪しんで問いただす。
 うしろめたい【後ろめたい】1 自分に悪い点があって、気がとがめる。やましい。2 自分の目が届かず、不安である。心もとない。気がかりだ。3 油断がならない。気が許せない。

 脛(すね)に疵(きず)持つ: 昔犯した悪事などを隠している。自分の身に やましい ところ が ある。
 親の脛を齧(かじ)る: 子が自立できないで、親に養われている。

 すね【脛/臑】 shin. 膝 (ひざ) から くるぶし までの間の部分。はぎ。
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 図星(ずぼし)を指す: 物事を推察してぴたりと言い当てる。
 隅(すみ)に置けない: その人が意外に経験豊かであったり、才能・知識などがあったりして、あなどれない。
 精(せい)が出る: 懸命に働く。仕事に励む。よく活動する。
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 堰(せき)を切る: 川の流れが堰を壊して溢れ出る。また転じて、おさえられていた物が、こらえきれずにどっと溢れ出る。
 せき【堰】 dam. 水を取る為、また、水深・流量の調節の為、川の途中や流出口などに設けて流水をせき止める構造物。
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 席(せき)を蹴(け)る: 怒って勢いよくその場から出て行く。
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 せけんしらず【世間知らず】経験が浅く、世の中の事情に疎い事。また、その人やそのさま。世間見ず。
 うとい【疎い】1 親しい間柄でない。疎遠だ。2 (「…にうとい」の形で)そのことについての知識や理解が不十分である。3 親しみが持てない。わずらわしく思う。4 不案内である。関心がない。5 愚かである。間が抜けている。
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 世間を狭くする: 信用を失って、世人との交際範囲を狭くする。肩身を狭くする。
 背(せ)を向ける: 1 後ろを向く。2 無関心な態度をとる。また、そむく。
 前後を忘れる: 興奮したり、酒に酔ったりして、一時、善悪是非の判断が出来なくなる。また、正体がなくなる。前後を失う。前後を忘 (ぼう) ず。
 先手(せんて)を打つ: 1 囲碁や将棋で、相手より先に着手する。2 先に攻撃をしかける。また、起こりそうな事態に備えておく。
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 底(そこ)が浅い: 人の器量・力量や物事の内容に深みが無い。
 きりょう【器量】1 ある事をするのにふさわしい能力や人徳。2 その人の才徳に対して世間が与える評価。面目。多く、男性について言う。3 顔だち。容貌 (ようぼう) 。多く、女性について言う。4 もののじょうず。名人。
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 底を突く: 1 蓄えてあった物が無くなる。2 相場が下がり、底値になる。
 底を割る: 1 本心を打ち明ける。腹を割る。2 相場が底値と思われたところからさらに下がる。
 袖(そで)を絞る: 涙でぬれた袖を絞る。ひどく涙を流す事に言う。
 袖を引く: 1 袖を引いて人を誘う。催促する。2 人の袖を引いてそっと注意する。
 算盤(そろばん)が合(あ)う: 1 計算が合う。2 採算がとれる。
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 太鼓判(たいこばん)を捺(お)す: その人物や品物の質などが絶対によいものであると保証する。太鼓のような判を捺す。
 たいこばん【太鼓判】1 太鼓のように大きな印判。転じて、確実であるという保証。2 江戸時代以前につくられた甲州金の一。表面外周の装飾が太鼓の皮留めの装飾に似ているところから言う。
 たいこ【太鼓】1 打楽器の一。木製・金属製などの胴の両面または片面に皮などを張ったもの。桴 (ばち) や手で打ち鳴らす。
 いんばん【印判】印 (いん) 。印章。
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 箍(たが)が緩(ゆる)む: 緊張がゆるんだり、年老いたりして、しっかり した ところ が 無くなる。締まりが無くなる。
 たが【箍】竹を割き、編んで輪にしたもの。桶 (おけ) ・樽 (たる) などの外側にはめて締めかためるのに用いる。金属製の物もある。
 さく【裂く/割く】1 ひと続きのものを、強い力を加えて直線的に二つに離す。手で強く引っ張って破る。2 刃物などで切って開く。
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 高(たか)を括(くく)る: その程度を予測する。大した事は無いと見くびる。
 みくびる【見縊る】軽視する。あなどる。見さげる。
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 竹を割ったよう: 《竹は一直線に割れるところから》気性のさっぱりしているさま。
 きしょう【気性】生まれつきの性質。気質。きだて。気象。性質がしっかりしているさま。気が強いさま。
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 出(だ)しに使う: 出しにする。自分の利益の為に利用する。だしに使う。
 だし【出し】(「出汁」とも書く)鰹節 (かつおぶし) などを煮出して作る、うまみのある汁。出し汁。また、その材料となる鰹節・昆布・煮干しなど。

 煮え湯(にえゆ)を飲ます:信用している人を裏切ってひどい目にあわせる。

 脂(あぶら)が乗(の)る: 1 魚や鳥などが季節によって脂肪が増え、味がよくなる。2 調子が出て仕事や勉強がはかどる。
 はかどる【捗る/果取る】仕事が順調にどんどん進む。はかがゆく。進捗 (しんちょく) する。
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 棚(たな)に上(あ)げる: 知らん顔をして問題にしない。不都合な事には触れずに置く。
 玉(たま)を転がす: 非常に高く美しい声の形容に用いる言葉。
 血が上(のぼ)る: のぼせる。興奮する。逆上する。
 血が騒ぐ: 気持ちが高ぶって、じっとしていられなくなる。心がおどる。
 血も涙もない: 全く人情味がない。冷酷その物である。
 血を分ける: 血族の関係にある
 力を入れる: 一生懸命になって物事をする。熱心に努力する。骨を折る。
 力を落とす: 元気を失う。落胆する。がっかりする。
 力を貸す: 手助けをする。援助する。助力する。
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 壺(つぼ)に嵌(は)まる: 1 急所をついている。2 見込み通りになる。

 きゅうしょ【急所】1 からだの中で、生命にかかわる大事な所。2 物事の最も大事な所。
 はまる【填まる/嵌まる】1 穴の部分にぴったりとはいる。うまくはいっておさまる。2 うまくあてはまる。3 くぼんだ場所などに落ち込む。4 計略にのせられる。だまされる。5 かかわりあって抜け出せなくなる。また特に、女性の色香におぼれる。
 つぼ【壺】(1)a pot; a jar; a vase.  (2)(鍼灸の)a therapeutic point (3)(急所)the point. 1 胴がふくらみ、口が狭くなった形の容器。陶製・木製・ガラス製などがある。2 ばくちで、采 (さい) を入れて伏せる器。壺皿。3 深くくぼんでいるところ。4 矢を射るときにねらう所。矢壺。5 物事の大事なところ。急所。要所。6 ここと見込んだところ。7 灸 (きゅう) や鍼 (はり) の治療で効果のある、人体の定まった位置。8 三味線・琴などの弦楽器の勘所。
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 潰(つぶ)しが効(き)く: 《金属製品は、溶かして別の物にする事が出来るところから》それまでの仕事を辞めても、他の仕事が出来る能力がある。
 旋毛(つむじ)を曲(ま)げる: 気分をそこねてわざと逆らい、意地悪くする。
 つむじ【旋毛】毛が渦巻き状に生えているところ。頭頂にある物を言う。毛渦 (もうか) 。つじ。
 面(つら)の皮(かわ)が厚い: 恥を恥とも思わない。ずうずうしい。厚かましい。
 手足(てあし)を伸ばす: ゆっくりと休む。
 手が空(あ)く: 仕事が一段落するなどして暇が出来る。
 手が掛(か)かる: 1 手数を必要とする。世話がやける。2 手でつかんだ状態になる。
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 手を切る: 関係を絶つ。縁を切る。多く、悪い関係・男女関係を断ち切る場合に言う。
 手が切れる: 1 関係がなくなる。縁が切れる。2 紙幣などの真新しいさまの形容に用いる。
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 手が付けられない: 処置の施しようが無い。
 手が出ない: 自分の能力ではとりかかる事が出来ない。
 手が届く: 1 能力の範囲内にある。2 細かいところまで配慮がなされる。行き届く。3 もうすぐある年齢・時期に達する。
 手が無い: 1 人手が足りない。2 施すべき手段・方法が無い。
 手が離れる: 1 仕事がかたづいて、自分と関係が無くなる。2 子供が成長して、世話が必要でなくなる。
 手塩(てしお)に掛(か)ける: 自らいろいろと世話をして大切に育てる。
 手玉(てだま)に取る: 手玉をもてあそぶように、人を思い通りに操る。
 もてあそぶ【弄ぶ/玩ぶ/翫ぶ】1 手に持って遊ぶ。手であれこれいじる。2 心の慰みとして愛する。賞翫 (しょうがん) する。3 好き勝手に扱う。楽しむかのように、思いのままに操る。4 人を慰みものにする。なぶる。
 手に汗を握る: 見たり聞いたりしながら、興奮したり緊張したりする。手に汗握る。
 手に負えない: 自分の力では扱いきれない。手に余る。
 手に掛(か)ける: 1 自分で直接行う。2 自分で世話をする。手塩にかける。3 人に処理などを頼む。4 自分の手で人を殺す。
 手に乗る: 1 策略に陥る。2 自分の自由になる。
 手も足も出ない: 施す手段が全く無い。力が及ばずどうしようもない。
 手を打つ: 1 感心したり、思い当たったり、感情が高ぶったりした時に両手を打ち合わせて音をたてる。2 話をまとめる。また、仲直りをする。3 予想される事態に対して必要な処置をとる。
 手を貸す: 労力を貸す。助力する。
 手を染める: 関係をもちはじめる。手をつける。
 手を尽くす: 物事の実現や解決の為に、あらゆる手段を試みる。
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 てならす【手慣らす/手馴らす】1 手なずける。飼いならす。2 使いならす。
 てなずける【手懐ける】1 動物などを、なつくようにする。2 面倒をよくみるなどして、味方に引き入れる。
 かいならす【飼(い)慣らす/飼い馴らす】1 動物に餌を与えたりして、なつかせる。2 人をこちらの都合のよいように手なずける。
 つかいならす【使い慣らす/使い馴らす】いつも使って、物をその作業などになれさせる。
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 手を抜く。必要な手間を省く。仕事などを好い加減にする。
 手を広げる: 仕事などの範囲を広くし、規模を大きくする。
 手を焼く: うまく処理出来なくて困る。てこずる。もてあます。
 手を煩(わずら)わす: 他人の世話になる。やっかいになる。
 天狗(てんぐ)になる: いい気になって自慢する。得意になる。うぬぼれる。
 頭角(とうかく)を現(あらわ)す: 才能・技量などが、周囲の人よりも一段とすぐれる。
 峠(とうげ)を越す: 物事の絶頂の時が過ぎる。危ぶまれた時期を過ぎる。
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 堂(どう)に入(い)る: 学問や技芸がすぐれて、深奥をきわめている。また、技術的に熟練していて、身についている。
 しんおう【深奥】非常に奥が深い事。また、そういうところや、そのさま。深遠。
 ぎげい【技芸/伎芸】1 美術・工芸などの技術。2 歌舞・音曲などの芸能。また、そのわざ。
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 取り付く島: 頼りとして すがる ところ。取り付き所。多く、あとに打消しの表現を伴って用いる。
 長い目で見る: 現状だけで判断を下さず、気長に将来を見守る。
 鳴(な)かず飛ばず: 将来の活躍に備えて行いを控え、機会を待っているさま。また、何の活躍もしないでいるさま。
 泣きを見る: 泣くような辛い(つらい)目にあう。
 謎を掛(か)ける: 1 なぞなぞの題を出して問いかける。2 遠回しにわからせようとする。
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 二の足を踏む: 一歩目は進みながら、二歩目はためらって足踏みする。思い切れずに迷う。ためらう。しりごみする。
 しりごみ【尻込み/後込み】1 おじけて、あとじさりすること。2 気後れしてためらう事。ぐずぐずすること。
 あしぶみ【足踏み】1 立ち止まったまま両足で交互に地面や床の同じ所を踏む事。2 物事の進行が止まって、同じような状態が続く事。停滞。
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 二(に)の句(く)が継(つ)げない: 次に言う言葉が出てこない。あきれたり驚いたりして、次に言うべき言葉を失う。
 にのまい【二の舞】人のあとに出て、そのまねをする事。特に、人のした失敗を繰り返す事。
 睨(にら)みが利(き)く: 他の者を押さえつける威力がある。
 熱が冷める: 熱中する度合いが下がる。
 熱に浮(う)かされる: 1 病気で高熱の為にうわごとを言う。2 前後を忘れて夢中になる。のぼせ上がる。
 うわごと【譫言/囈言】1 高熱などで意識の混濁している人が無意識に口走る言葉。2 筋の通らない放言。たわごと。
 根(ね)に持つ: いつまでも恨みに思って忘れない。
 ねほりはほり【根掘り葉掘り】徹底的に。しつこくこまごまと。
 根も葉もない: 少しの根拠もない。出鱈目(でたらめ)である。
 音を上(あ)げる: 苦しさに耐えられず声を立てる。弱音を吐く。降参する。
 喉が鳴る: 御馳走を目の前にして、ひどく食べたくなる。
 喉から手が出る: 欲しくてたまらない事をたとえて言う。
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 伸るか反るか(のるかそるか): 成否は天にまかせ、思い切って物事を行う事。いちかばちか。
 一(いち)か八(ばち)か: 結果はどうなろうと、運を天に任せてやってみる事。のるかそるか。
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 歯が浮く: 1 歯の根が緩む。また、歯が浮き上がるように感じる。2 軽薄な言動に接して、不快な気持ちになる。
 歯が立たない: 1 固くて噛む事が出来ない。2 相手が自分の技量をはるかに超えていて、とても取り組めない。
 白紙に戻す: 白紙(はくし)に返す。それまでの経緯をなかったものとして、元の状態に返す。
 拍車(はくしゃ)を掛(か)ける: 《馬の腹に拍車を当てて速く走らせる意から》物事の進行を一段とはやめる。拍車を加える。
 きしょく【旗色】1 立場。また、態度。2 戦いの形勢。はたいろ。
 鼻が高い: 誇らしい気持ちである。得意である。
 鼻であしらう: 相手の言葉にとりあおうとせず、冷淡に扱う。鼻先であしらう。
 あしらう: 1 応対する。応答する。2 相手を軽んじた扱いをする。みくびって適当に応対する。3 素材や色などをうまく取り合わせる。配合する。
 鼻に掛(か)ける: 自慢する。得意がる。
 鼻に付く: 1 においが鼻につきまとう。2 飽きて嫌になる。また、人の振る舞いなどがうっとうしく感じられる。
 鼻を明かす: 出し抜いてあっと言わせる。
 鼻を折る: おごる心をくじく。得意がっている者をへこませて、恥をかかせる。
 くじく【挫く】1 手足の関節などに無理な力が加わって、関節やその周りを痛める。捻挫 (ねんざ) する。2 勢いをそぎ、弱らせる。おさえる。
 花を持たせる: 人に名誉を譲る。その人を立てて功を譲る。
 羽(はね)を伸ばす: 束縛する物がなくなって、のびのびと自由に振る舞う。
 羽目(はめ)を外す: 興に乗って度を過ごす。馬銜 (はめ) を外された馬が走り回る意からとも。
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 歯を食い縛る: 悔しさ・苦痛などを歯をかみ合わせて必死にこらえる。
 こらえる【堪える/怺える】1 苦しみなどに、耐えて我慢する。しんぼうする。2 感情などを、抑えて外にあらわさない。3 外から加えられた力にたえる。もちこたえる。4 堪忍する。許す。
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 腹が据わる: 物事に動揺しなくなる。度胸が据わる。
 どきょう【度胸】物事を恐れない心。気おくれしない精神力。きもったま。
 腹が立つ: 怒らずにはいられない。しゃくに障る。
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 腹が太い: 度量が大きい。胆力がある。太っ腹である。
 ふとっぱら【太っ腹】1 太った腹。ふとばら。2 度量の大きいこと。大胆で、物事に動じないこと。また、そのさまや、その人。
 たんりょく【胆力】事にあたって、恐れたり、尻ごみしたりしない精神力。ものに動じない気力。きもったま。
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 腹に据(す)えかねる: 怒りを心中におさめておく事が出来なくなる。我慢が出来ない。
 腹を抱(かか)える: おかしくてたまらず大笑いする。
 腹を探る: それとなく人の意中を探り出そうとする。
 腹を割る: 本心を打ち明ける。隠さずに心の中をさらけ出す。
 腫(は)れ物(もの)に触(さわ)るよう: 機嫌を損じないように気遣い、恐る恐る接するさま。
 引けを取る: 負ける。劣る。
 膝(ひざ)を突き合わせる: 互いの膝が触れあうほど近くに向き合って座る。また、腹蔵なく じっくり話し合う。
 ふくぞう【腹蔵/覆蔵】本心を隠して表に出さない事。
 膝を乗り出す: 前へ進み出る。また、興味を感じて乗り気になる。身を乗り出す。膝を進める。
 膝を交える(まじえる): 親しく同席する。うちとけて語り合う。
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 肘を張る(ひじをはる): 1 肘を突っ張っていかにも強そうな様子をする。威張る。2 気負う。意地を張る。肩肘 (かたひじ) 張る。
 つっぱる【突っ張る】1㋐ゆるみがなく強くはる。かたくぴんとしている。からだのすじが強くはってかたくなる。㋑自分の意見を曲げずに強く言い張る。言い分をどこまでも押し通そうとして抵抗する。㋒程度が並はずれている。㋓虚勢をはる。また、不良がかった態度をとる。2㋐倒れたりしないように棒などを押し当てる。つっかいをする。㋑腕・脚などに力を入れて伸ばし強く押す。㋒相撲で、平手で相手を交互に突く。
 いばる【威張る】威勢を張って偉そうにする。えばる。
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 額(ひたい)を集める: 顔を寄せ合って相談する。集まって相談する。鳩首 (きゅうしゅ) する。
 きゅうしゅ【鳩首】《「鳩」は集める意》人々が寄り集まって、額をつきあわせて相談する事。
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 一泡(ひとあわ)吹かせる: 相手の不意をついたり、予想外の事をやってのけたりして、驚かせうろたえさせる。
 うろたえる【狼狽える】1 不意を打たれ、驚いたり慌てたりして取り乱す。狼狽 (ろうばい) する。2 うろうろと歩く。うろつく。
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 一旗(ひとはた)揚(あ)げる: 事業を始めて身を起こす。成功を目指して新事業を起こす。
 ひとはだぬぐ【一肌脱ぐ】本気になって他人の為に力を貸す。
 人目(ひとめ)に付(つ)く: 他人が目を向けた時に気づく。目立って見える。
 人目(ひとめ)を忍ぶ(しのぶ): 他人に見られないように心を配る。人に知られないようにする。
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 人を食う: 人を人とも思わない、ずうずうしい態度や言動をする。
 ずうずうしい【図図しい】恥を知らない。厚かましい。
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 火に油を注ぐ: 勢いの盛んな物にさらに勢いを加えるような事をする例え。薪 (たきぎ) に油を添える。
 火の消えたよう: 活気を失って寂しくなるさま。
 ひのくるま【火の車】1 「火車 (かしゃ) 」を訓読みにした語。2 経済状態が極めて苦しい事。
 日(ひ)の目を見る: それまで埋もれていた物が世に知られるようになる。また、長い間不遇だった者が世に認められるようになる。
 蓋(ふた)を開(あ)ける: 1 物事を始める。また、物事の実情・結果などを見る。2 劇場などが開場する。特に、芝居で、その日の狂言を始めるのに言う。
 筆(ふで)が立つ: 文章が上手である。
 ふでをおく【筆を擱く】文章を書き終わる。擱筆(かくひつ)する。また、文筆家が書くのをやめる。
 懐(ふところ)が寒い: 所持金が少ない。懐が寂しい。
 懐(ふところ)を肥やす: 不当の利益を得る。私腹を肥やす。懐を暖める。
 腑(ふ)に落ちない: 納得がいかない。合点がいかない。
 弁(べん)が立つ: 話し方がうまい。雄弁である。
 棒(ぼう)に振る: それまで積み重ねてきた物を無にしてしまう。
 臍(ほぞ)を固(かた)める: 決意を固める。覚悟を決める。
 臍(ほぞ)を噬(か)む: 後悔する。すでにどうにもならなくなった事を悔やむ。
 骨が折れる: 労力がいる。困難である。
 骨を惜しむ: 労苦を嫌って怠ける。骨を盗む。
 本腰(ほんごし)を入れる: 本気になる。真剣になって取り組む。本腰を据える。
 ほんね【本音】1 本来の音色。本当の音色。2 本心から言う言葉。「―が出る」「―を吐く」
 魔(ま)が差す: 悪魔が心に入り込んだように、一瞬判断や行動を誤る。出来心を起こす。
 枕(まくら)を高くする: 安心して寝る。また、安心して暮らす。
 眉(まゆ)に唾(つば)を塗(ぬ)る: だまされないように用心する。眉に唾をつける。
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 丸(まる)く収(おさ)める: もめ事を円満に解決する。争いをさけ穏便にすませる。
 おんびん【穏便】1 物事をかど立てずおだやかに行うこと。また、そのさま。2 手軽なこと。便利なこと。また、そのさま。
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 水に流す: 過去のいざこざなどを、すべて無かった事にする。
 いざこざ: もめごと。争いごと。ごたごた。
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 水を打ったよう: その場にいる大勢の人々が静まりかえるさま。
 水をさす: 1 水を加えて薄くする。2 仲のいい者同士や、うまく進行している事などに、わきから邪魔をする。
 身につまされる: 他人の不幸などが、自分の境遇・立場と思い合わさって切実に感じられる。
 耳が痛い: 他人の言葉が自分の弱点をついていて、聞くのがつらい。
 耳が早い: 物音や世間の噂などを聞きつけるのが早い。
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 耳に胼胝(たこ)が出来る: 同じ事を何度も聞かされて、嫌になる。
 たこ【胼胝/胝】繰り返し圧迫を受けた皮膚の部分が角質化し厚くなったもの。骨の出っぱったところにできやすい。ペンだこや座りだこ、肘 (ひじ) だこなど。べんち。
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 耳を澄ます: 聞こうとして注意を集中する。耳をそばだてる。
 そばだてる: 1 一方の端を高くする。2㋐耳や目の注意力をそのほうへ集中させる。㋑枕などから頭を持ち上げて聞き耳をたてる。3 高くそびえたたせる。
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 脈(みゃく)がない: 1 脈拍が途絶えている。死んでいる。2 見込みがない。希望がもてない。
 身を粉にする: 労力を惜しまず一心に仕事をする。
 胸が騒ぐ: 不安や期待などで心が落ち着かない思いがする。胸騒ぎがする。
 胸がすく: 心が晴れやかになる。すっとする。
 胸を撫で下ろす: 心配事が解決してほっとする。安心する。
 目が利(き)く: 良し悪しを見分ける能力を持っている。鑑識眼がある。
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 目が眩(くら)む: 1 目まいがする。2 強い光線などの為に、一時的に視力を失う。3 心を奪われて判断力が無くなる。
 目が回る: 1 めまいがする。目がくらむ。2 非常に忙しい様子の形容。
 めまい【目眩】目が回ったり、くらんだりすること。回転・昇降・傾斜などを感じるものは平衡感覚の異常により、立ちくらみのものは血行障害により起こる。げんうん。
 くらむ【暗む/眩む/晦む】1 暗くなる。㋐強い光を受けて、一時的に目が見えなくなる。㋑過度の刺激を受けたり、疲労から、目が回る。めまいがする。㋒ある物事に心を奪われて、よしあしの判断ができなくなる。暗くする。また、くらます。隠す。
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 目が覚める: 1 眠りから覚める。2 迷いが去り、正しい姿に立ち返る。
 目が無い: 1 夢中になって、思慮分別をなくすほど好きである。2 物事の良し悪しを識別する力が無い。
 目に余る: 1 程度がひどくて黙って見ていられないほどである。2 数が多くて一目で見渡せないほどである。
 横車(よこぐるま)を押す: 道理に合わない事を無理に押し通す。横に車を押す。
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 埒(らち)が明(あ)く: 物事に決まりが付く。片が付く。
 らち【埒】1 馬場の周囲に巡らした柵。2 物の周囲に、また仕切りとして設けた柵。駅の改札口付近の柵など。3 物事の区切り。また、限界。
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 路頭(ろとう)に迷う: 生活の道をなくし、住む家もなく、ひどく困る。
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 罠(わな)に掛(か)かる: 1 動物や鳥などが罠にひっかかる。2 他人の計略にはまってだまされる。
 わな【罠/羂/輪奈】1 縄や竹などを輪の形にして、その中に入った鳥や獣を締めて生けどりにする仕掛け。転じて、網や落とし穴など、広く鳥獣を捕らえる仕掛けを言う。2 人をだまして陥れる為の計略。3 (輪奈)ひもなどを輪状にしたもの。
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 輪(わ)を掛(か)ける: 程度をさらにはなはだしくする。

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